出版社内容情報
食道がんを、手術をせずに「陽子線治療」という最先端医療技術によって消すことができた著者の、復帰までの書き下ろし告白エッセイ
ステージ3の食道がんが見つかった著者。慌てて掛かった名医たちは一様に「抗がん剤・手術・放射線」をがん治療の三種の神器と唱え、手術による切除を強く勧める。だが、心臓に不安を抱える著者は手術をためらい、切らずに治す方法はないのかと疑問を抱く。消化器外科医にはじまり、抗がん剤治療の名医、内視鏡手術のゴッドハンド医師、緩和治療の専門医と訪ね歩き、「理想の治療法」探しの旅はついに「陽子線治療」に辿り着いた!
目次
はじめに 生きる力
第1章 変身
第2章 審判
第3章 城
第4章 生還
著者等紹介
なかにし礼[ナカニシレイ]
1938年、中国黒龍江省(旧満洲)牡丹江市生まれ。立教大学文学部仏文科卒業。在学中よりシャンソンの訳詩を手がけ、その後、作詩家として活躍し、日本レコード大賞ほか多くの音楽賞を受賞する。2000年、『長崎ぶらぶら節』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Humbaba
11
自分の人生である以上,決断を下すのは自分でありたい.無論,決断を下すための情報は専門家から求める法が良い.しかし,その専門家に決断まで任せてしまっては,ほんとうに自分のためになるとは限らない.自分のことを一番良く知っているのは自分である以上,自分自身の求める方向に決断をすることが重要である.2013/04/07
退院した雨巫女。
6
《私ー図書館》医師の言いなりにならず、自身でも、調べたり、主治医と相談することも、大事ですね。2016/03/15
LIBRA
6
サクサクと読める本。がんに対して医師の言うままでなくセカンドオピニオン、さらに自分で納得するまで治療法を探す著者が逞しく思えた。この本が契機になって陽子線治療等の認知度が上がったらしいので、良かったと思った。色々な著名人の言葉も有効だと思った。幼少時代の話にも学ぶ所があった。2015/07/28
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
6
ポイント3つ。1:野坂昭如と同じく、戦争で痛い目にあった人はそれを絶対に忘れない。2:読んだものは血肉になっている、必要なときにそれが出てくる。3:生命保険の先進医療特約はたいへん有効。 以上。2015/01/24
みなず
3
一気読み。生きるとは、生きているとは、自分が戦い続けていること、なのだ。治療スタッフから「さ、治しましょう。治しましょう」と言われただけで、強くなれる。“自分、自分、かぎりなく自分中心であれ。”に、心底納得。2014/06/23