デフレの真犯人―脱ROE「株主資本利益率」革命で甦る日本

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 206p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062180726
  • NDC分類 338.21
  • Cコード C0033

出版社内容情報

政府や日銀が態度を改めるだけでよいなら、日本はとっく再浮上している。日本は金融緩和どころか「実質的な金融引き締め」状態にある

「なぜ、日本経済が低迷から抜け出せないのか?」「どうして、デフレが続いているのか?」「日銀はお札をもっと刷れ!」
いくつもの成長戦略が策定され、ゼロ金利政策が続いて久しい。そして、さらなる金融緩和を期待する声は高まる一方だ。しかし、政府や日銀が態度を改めるだけでよいなら、日本はとっくにデフレを抜け出し、景気も良くなっているはずだ。決定的なことが見落とされてきたのである。
資本主義の主役である民間企業において、負債コストはゼロ金利政策により確かに低下した。しかし、企業の資金調達のもうひとつの柱である「株主資本コスト」は、バブル崩壊後、逆に上昇してしまった。金融緩和の効果を相殺して余りある、まさに「実質的な金融引き締め」にあるのが、今の日本の真の姿だ。そのことに日本人はあまりに無頓着すぎる。
「日銀のやる気」だけでは日本は救えない! 日本経済に横たわる「死角」、そして再浮上するために必要なことは何か、日本を代表するトップストラテジストが説く!

【著者紹介】
きたの・はじめ JPモルガン証券株式会社 株式調査部マネジングディレクター チーフストラテジスト コメンテイター。
1982年、大阪大学法学部卒業後、三菱銀行(三菱東京UFJ銀行)入行。資金証券部、ニューヨーク支店を経て、1991年より為替資金部にて為替アナリストに。1997年より東京三菱証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)にて株式ストラテジストを担当。2006年1月に株式調査部チーフストラテジストとしてJPモルガン証券株式会社に入社。日経アナリストランキングのストラテジスト部門ではランキングトップの常連である。
著書に 『なぜグローバリゼーションで豊かになれないのか――企業と家計に、いま必要な金融力』(ダイヤモンド社)、 『おじいさんは山へ金儲けに――時として、投資は希望を生む』 (村上龍氏、山崎元氏らと共著、幻冬舎文庫)がある。

内容説明

「実質的な金融引き締め」への正しい認識を持つことから、すべては始まる。「政府はバカだ」「日銀は無力だ」「人口が減るからダメだ」と憤慨し諦める必要はない。論点を修正すれば、日本経済は再び成長する。日本経済に横たわる「死角」を探れ。苦境から脱するために必要なことは何か、日本を代表するトップストラテジストが説く。

目次

第1章 「日銀のやる気」で日本は救えるか?
第2章 本当の「金利」とは何か
第3章 誰も顧みない「株主資本コスト」
第4章 「株主」とは何者なのか
第5章 デフレと円高、そしてアメリカ
第6章 苦境からの脱出―「思想の呪縛」から抜け出せ!

著者等紹介

北野一[キタノハジメ]
JPモルガン証券株式会社株式調査部マネジングディレクターチーフストラテジスト。1982年、大阪大学法学部卒業後、三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。資金証券部、ニューヨーク支店を経て、1991年より為替資金部にて為替アナリストに。1997年より東京三菱証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)にて株式ストラテジストを担当。2006年1月に株式調査部チーフストラテジストとしてJPモルガン証券株式会社に入社。日経アナリストランキングのストラテジスト部門ではランキングトップの常連である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えちぜんや よーた

32
主張のポイントは、ザクっと次の4つになると思います。1.金融緩和によって負債の「利子率」を下げるだけでは意味がない。2.株主資本の「利子率」が高いため、資本コスト※が高い3.資本コストが高いため他のステークホルダー(取引先、従業員など)に「泣いてもらう」4.資本コストは、世界中で「一物一価」の状態になっている※(資本+負債)で計算される、出資したお金に対する一種のレンタル料というわけで、著者は投資家の代理人として、「売上は七難をかくす」という企業経営を唱えておられています。2013/01/01

じゅん兄

11
上場企業の資金調達には、銀行借り入れなどの負債と、株式による資金調達手段(株主資本)の2通りがある。負債のコストは日銀のゼロ金利政策(金融緩和)により低下した。しかし、株主資本のコストは、バブル崩壊後に株価指標の一つとして登場した「ROE」重視により低下しなかった。「ROE」は株主から見れば利益だが、企業から見れば負債であり「ROE」の高い利回りは一種の金融引締めであると言うことか。「ROE」に対する見方を考えさせられる一冊。 2013/02/03

ネコ虎

10
日本企業がおかしくなったのはROE(株主資本利益率)指標を重視し始めたからだという。株主の要求にどれだけ応えていくか。経営者は常に投資家(投資アナリスト)から責められ、それに答えるために利益を拡大している。利益は経営者にとってはコスト(資本コスト)だ。しかも経営者の成績表をも意味する。利益(配当)拡大のため他のコスト(賃金、材料費、請負費等)は切り詰める。それが自分の首を絞めるとも知らずに(合成の誤謬)。これがデフレの真犯人なのでROEから脱却せよと訴え、売上高を重視せよと。経営者を呪縛するROE批判↓2017/11/04

suzuki hirokazu

4
「金融緩和により負債コストはたしかに低下したが、株主資本コストは、バブル崩壊後、逆に上昇してしまった。」と本の紹介にある通りで、資本コストとは何か、そしてその処方箋は何かを平易に解説した本書。ROEといった指標は経済環境次第で見直す必要があり、需要不足の今はROEではなく売上だということで、なかなか珍しい視点で楽しく読めてしまいました。2015/06/03

徳田隆志

2
外国人投資家が日本の企業に対して、アメリカと同等の高い株式利益率を求めているせいで、かえって企業が高い利益が生み出せていないという状況を指摘し、それが経済の停滞を招いていると主張。なるほど、こういう見方もあるのね。スリリングな展開は、読みごたえあり。2013/07/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5557324
  • ご注意事項

最近チェックした商品