佐渡の三人

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  • サイズ B6判/ページ数 179p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062179935
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

親戚のおばちゃんの「納骨」のため、ひきこもりの弟、別れた父と私は佐渡へと旅立つ。納骨の旅に家族の「仕方ない」縁を描く連作小説

物書きの「私」は、ひきこもりの弟、古道具屋の父とともに佐渡への旅に出る。目的は、祖父母の隣家に住む「おばちゃん」の骨を、郷里の墓に納骨すること。ところが、骨壷をユニクロの袋に入れて運ぶくらい儀礼にかまわぬ一族のこと、旅は最初から迷走気味で・・・。表題作「佐渡の三人」に始まり、「戒名」「スリーナインで大往生」「旅人」と、一族の佐渡への「納骨」の旅を描く連作長編小説。

佐渡の三人
戒名
スリーナインで大往生
旅人

【著者紹介】
1972年埼玉県生まれ。東洋大学2部文学部国文学科卒業。2001年、「サイドカーに犬」で第92回文學界新人賞を受賞しデビュー。02年、「猛スピードで母は」で第126回芥川賞、07年、『夕子ちゃんの近道』で第1回大江健三郎賞受賞。著書に『猛スピードで母は』『タンノイのエジンバラ』『ジャージの二人』『パラレル』『泣かない女はいない』『夕子ちゃんの近道』『ぼくは落ち着きがない』『ねたあとに』『祝福』などの小説、および漫画作品に『長嶋有漫画化計画』『フキンシンちゃん』があるほか、「ブルボン小林」名義でコラムニストとしても活躍中。

内容説明

「佐渡の三人」―佐渡行その1。おばちゃん(大叔父の奥さん)が亡くなった。儀礼嫌いの大叔父に代わり、なぜか私と弟、父の三人が佐渡にある一族の墓へお骨を納めに行くことに。「戒名」―ワンマンな祖母は生前に自分で戒名を決めてしまった。問題は字数が足りないことだ、と寝たきりの祖父母を世話する、ひきこもりの弟がいう。「スリーナインで大往生」―佐渡行その2。祖父が亡くなった。享年99歳9カ月。「惜しい!」「スリーナインだ」と家族は盛り上がって…。「旅人」―佐渡行その3。大叔父が亡くなった。祖母との「ダブル納骨」のため、父の後妻を含め一族7人が佐渡に集まった。…そして、「納骨」の旅はまだまだつづく。

著者等紹介

長嶋有[ナガシマユウ]
1972年埼玉県生まれ。東洋大学2部文学部国文学科卒業。2001年「サイドカーに犬」で第92回文學界新人賞を受賞しデビュー。’02年「猛スピードで母は」で第126回芥川賞、’07年『夕子ちゃんの近道』で第1回大江健三郎賞を受賞。「ブルボン小林」名義でも活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モルク

84
連作短編集4話。作家をしている女性が、親戚の「隣のおばちゃん」の納骨をするため父と弟と共に佐渡へ…という「佐渡の三人」に始まり、祖父、隣のおじちゃんと、祖母と3度納骨で佐渡に渡ることとなる。祖父には50も年下の愛人がおりヘルパーとして祖母も隣で寝ている家にやって来ていたとか、なぜに隣のおばちゃんの納骨が夫や子じゃないのかなど?となるが読んでいるとそんなことどうでもいいと思うようになる。大きなことが起こるわけではないがユーモアもあり好みの作品。祖父母の介護をしていた引きこもりの弟がいい味を出している。2020/12/17

りゅう☆

81
親戚の隣のおばちゃんが亡くなり、祖父母を介護中の引きこもり弟と父と道子3人で佐渡に納骨へ。仲は悪くはないが少し距離を感じる家族。でも居心地が悪い風でもない。そして祖父、大叔父、祖母が亡くなり佐渡へ納骨に。亡くなった身内は大往生だし、特に凄いことがあるとかもない。不思議な親戚関係だったり、個性的であったり、時事ネタがあったり、ちょっとした名場面をネタにしたり。『佐渡の三人』というエッセイを書いた道子。そう、これはまさにエッセイ。深く考えず読むにはいいかも?弟よ、ちゃんとお風呂に入ればもっと株が上がるのにな。2022/07/07

chimako

67
この話は言うなれば「納骨行のロードムービー」何だか不謹慎な雰囲気。納骨の舞台は佐渡。そして、何度も登場する「曽我さん」拉致されたあの曽我さんである。所々、思い掛けない場面で曽我さんの名前が出る。隣のおばちゃんの納骨、祖父の納骨、おじちゃんと祖母の納骨と都合三回の佐渡行き。主人公である私(道子)は全てに出席。何とも浮き世離れした一族の日常も描かれてる。悲しいはずの今生の別れも長嶋有にかかると憂いを含みながらも正に“含み笑い”で締められる。おかしな人たちだけど好きだなぁ。お坊さんの一言にもニンマリだった。2015/05/16

なゆ

65
一族の墓がある佐渡への納骨の旅。大叔父の妻である「隣のおばちゃん」のお骨と、道子&離れて暮らす父&祖父母宅でひきこもりの弟の三人の珍道中。誰かが亡くなり納骨、という話でありながら、クスッと笑えてしまう。 祖父母の介護にひきこもり、という内容でもゆるーいユーモアで包まれて重い感じにならないのが新鮮。世間一般的にはいろいろ問題ありのこの一族も、絶妙なバランスでうまく保たれている楽しさ。でも、ひとりずつ欠けていきそういうわけにもいかない今後が気になる。題字のインパクト強いな~と思ったら、アラーキーでしたか。2014/03/18

ケンケン

61
『ねたあとに』に続き、今作も納骨・葬式といったテーマなのにも関わらず、ユルい独特な雰囲気を出しており面白かったです!“隠しキャラ”や“ボーナス面のキャラ”といった表現が、ゲーム世代だからか変に的を射ているように思いました。主人公の心の声・ツッコミそして、弟の発言・律儀な敬語で、ニヤリとさせてもらいました♪ 最後、現実のビターな面もちゃんと描かれており、期待通りの良い作品でした〜次回作も楽しみだ!!2012/11/08

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