大黒島

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大黒島

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  • サイズ B6判/ページ数 250p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062179553
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

銀行を辞め、僧侶となった「ぼく」。かつての同僚の願いで、彼の昇進のために神仏に祈りを捧げるが、それが思わぬ事態をもたらす。

銀行を辞め、湖に浮かぶ島にある小さな寺の執行(管理責任者)となった「ぼく」の元を、かつての同僚が訪ねてきた。「おまえの仲介で神仏の力を借りたい」と。「ぼく」は求めに応じ、護摩を焚き、30万円を受け取る。半年後、同僚の妻が来て金を返せという。夫はめでたく昇進したが、辞令が出た翌日、息子が事故で半身不随になったのだった……。姉妹編「オオクニヌシたち」と、「海の碧さに」の2篇を併録。

【著者紹介】
1962年、名古屋市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。出版社勤務のかたわら、評論、小説などを書き始める。90年、「『豊饒の海』あるいは夢の折り返し点」で第33回群像新人文学賞「評論部門」受賞。2006年、「ポル・ポトの掌」で第1回日経小説大賞佳作受賞(後に『あなたの正しさと、ぼくのセツナさ』に改題)他の著書に『後生ゴショー』『マリアの選挙』『死という鏡 この30年の日本文芸を読む』など。

内容説明

銀行を辞め、小さな寺の僧侶となった「私」のもとへ、かつての同僚・山根が訪ねてきた。昇進のため、神仏の力に頼りたいと。「私」は求めに応じ、護摩を焚き、30万円を受け取る。みずうみに浮かぶ島の小さな寺で繰り広げられる金とホトケをめぐる奇妙でユーモラスな物語。

著者等紹介

三輪太郎[ミワタロウ]
1962年、名古屋市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。出版社勤務のかたわら、評論、小説などを書き始める。90年、「『豊饒の海』あるいは夢の折り返し点」で第33回群像新人文学賞「評論部門」受賞。2006年、「ポル・ポトの掌」で第1回日経小説大賞佳作受賞(後に『あなたの正しさと、ぼくのセツナさ』に改題)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

安南

55
フィリピンを訪問した天皇皇后両陛下のニュース映像が流れる中、11年前(2005年)両陛下のサイパン島訪問で幕を開ける『海の碧さに』が実にタイムリーで心に沁みた。「あめつちを動かす」ことがテーマだと感じた。とてもよかったが、今はうまく感想をまとめることができない。〈以下メモ〉美しい珊瑚礁の島、サイパン。太平洋戦争末期、五万の日本人が死歿した島。長崎「沈黙の碑」の言葉「人間がこんなに哀しいのに、主よ、海があまりに碧いのです」→2016/02/12

やどかり

24
この本を読めてよかった。うまく言葉にできないけれど、何か大きな存在を感じた。天と人は見えない何かで繋がっているのだ。「オオクニヌシたち」の繰り返される歴史に読むのが止まらず、最後のページでは胸が熱くなった。「海の碧さに」では遠藤周作の「沈黙の碑」の言葉を見つけ、大戦で亡くなった人たちと共通するものがあるように感じた。『人間がこんなに哀しいのに、主よ、海があまりに碧いのです…』 1編目より2編目、2編目より3編目と、段々と作品のテーマが重く大きくなっていくように思えた。2016/03/21

ルアット

6
「大黒島」「オオクニヌシたち」「海の碧さに」の3篇からなっているが、どれも心に沁みた。でも、ひとことで感想が浮かばない。2016/02/24

ソフィ

1
大黒島という、中禅寺湖に浮かぶ架空の島を舞台にした2篇が特によかった。歴史を俯瞰する目、現実とフィクションと、断片的なスピ知識が刺激されて夢中で読んだ。宇宙の法則、のようなことが描かれている気がする。続編が出るといいな…。2022/09/29

ぴあ

1
不思議な本だった。読んでよかった。そして歴史好きだったおかげでとても楽しめた。2022/06/18

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