出版社内容情報
カメラマン耕太郎は占い師の桜子の仕事場によくいる。心配性の彼女を思って、客の不幸を的中させないように動くのだ。二人の未来は?
カメラマン耕太郎は占い師の桜子の仕事場によくいる。心配性の彼女を思って、客の不幸を的中させないように動くのだ。二人の未来は?
内容説明
インドで襲われ一年後に亡くなった父の『占い拠 七ノ瀬』を継いだ桜子は、客が喜ぶ占いをするのが苦手で、占い師として致命的。そんな桜子を心配して、表に裏にと駆けずり回るのが乾耕太郎だ。ふだんはしがないフリーカメラマンをしている。仕事がないときがよくあるのだが、そんなときは奔走しっぱなし。というのも桜子に気があるからだ。二人の前に立ちはだかる五つの謎を解いて、男を上げろ、耕太郎。
著者等紹介
伊岡瞬[イオカシュン]
1960年、東京都武蔵野市生まれ。2005年、『いつか、虹の向こうへ』で横溝正史ミステリ大賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
150
『ビブリオ古書堂』の占い師版といった感じの連作ライトミステリーでした。読むペースがイマイチ波に乗れなかったせいか、どの話もインパクトが少し中途半端な感じで、正直もったいなかったかなと。もっとしっかり集中して一気に読めれば、本作の魅力を十分に感じとれたような気がします。主人公のフリーカメラマンと美人占い師のやりとりも、イマイチ距離感が不安定でどちらにもあまり感情移入できませんでした。本作で一番印象的だったのは'女性の恨み'から発する復讐劇で、その怖さが伝わる話が一番伊岡さんらしい作風だったような気がします。2016/08/23
ゆみねこ
63
人の不幸を的中させてしまう占い師の桜子と、幼なじみのカメラマン耕太郎。五つの謎を解く連作短編。「翼のない天使」が好き。「水曜日の女難」はちょっと怖かった。伊岡さんの作品としてはあまり印象に残らないかもしれません。2015/05/12
万葉語り
52
連作短編5編。カメラマンの耕太郎と流行らない占い師の桜子がお客さんの事件を解いていく中で自分たちの関係も変化していく話。何気なくSNSに挙げた写真がとんでもない余波を引き起こす『水曜日の女難』が面白かった。2021-1152021/08/21
nins
44
読みやすい5編からなる連作短編集。貸家で「占い処、七ノ瀬」という占い屋をやっている桜子と彼女の幼馴染でフリーカメラマンの耕太郎。二人の間は単なる幼馴染の関係ではなく、親の不幸で一緒に住んでいたこともあったりする間柄。占いを絡めた事件と謎。桜子の占いは不幸が当たる。占いの結果から守るために耕太郎が動く。フリーカメラマンとしてではなく、完全にボディーガード。事件もさまざま。しおりが占いになっていたりしてちょっとした幸せも。桜子のイメージがさだまらないのが弱点。最後は定番で終わらせないちょっとひねってきたり。2012/12/02
nyanco
37
客の不幸を的中させる女占い師・桜子と、未確認生物・UMAを撮ったりレポを書いたりするフリーカメラマン・耕太郎。キャラの設定も面白く、二人が降りかかった謎を解く…という設定もなかなか面白い。桜子の客だった男が殺人を犯してしまった「守りたかった男」や、近所の商店街主催の映画会にまつわる「翼のない天使」は、人々の雰囲気も結構いい感じだな…と感じたのだけど。どうにも耕太郎という男も、桜子という女にも共感できなかった。あのラスト、桜子は耕太郎をどう思っているのかなぁ…続→2012/09/28