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竹に紅虎

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  • サイズ B6判/ページ数 362p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062178525
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

肥前有田の地で途轍もない出会いが生まれた。世界に冠たる「柿右衛門」誕生に秘められた夫婦の愛と戦い。深い感動を呼ぶ歴史ロマン!

「この女は途徹もない女で、俺を根本から変えるだろう」
キリシタン弾圧の余熱冷めやらぬ江戸初期。磁器の町、肥前有田の地で、夫婦となる男女が出会った。長崎の商家の放蕩息子、二胡弾きの達人にして語学の天才・昇蔵。朝鮮人陶工を率いた百婆仙の曾孫、天才色絵師・香丹。有田焼の発展にともない、昇蔵は海を渡り、二人の道は分かたれる――。
有田の地から、アジア、ヨーロッパへと。世界に冠たる「カキエモン(柿右衛門)」誕生に秘められた夫婦の愛と戦いが、深い感動を呼ぶ。2009年、「本の雑誌」2009年度エンターテインメントベスト1、「ダ・カーポ特別編集 最高の本2010」歴史小説グランプリ、「週刊朝日」2009年度歴史・時代小説ベストテン第2位など、各方面で絶賛を浴びた話題作『弩』著者の才筆で描き出す、まったく新しい壮大な歴史ロマン!

【著者紹介】
下川博(しもかわ・ひろし)
1948年生。早稲田大学第一文学部卒業後、脚本家としてNHKにて「武蔵坊弁慶」「中学生日記」「はやぶさ新八御用帳」などを手掛ける。2006年、「閉店まで」で堺自由都市文学賞受賞を受賞。2009年、南北朝時代、武器を手に、悪党に挑んだ農民たちの戦いを描いた『弩』を上梓し、各メディア・書評家の激賞を得る。本作は著者二作目となる長編小説。

内容説明

キリシタン弾圧の余熱冷めやらぬ江戸初期。磁器の町、肥前有田の地で、夫婦となる男女が出会った。長崎の商家の放蕩息子、二胡弾きの達人にして語学の天才・昇蔵。朝鮮人陶工を率いた百婆仙の曾孫、色絵師・香丹。数年後、愛娘・秋香を授かるが、有田焼の急激な発展にともない、昇蔵は海を渡り、香丹は有田に残ることに。有田焼に命を賭した二人の道は、抗いようもない運命の波に分かたれる―。

著者等紹介

下川博[シモカワヒロシ]
1948年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、脚本家としてNHKにて「武蔵坊弁慶」「中学生日記」「はやぶさ新八御用帳」などを手掛ける。2006年、「閉店まで」で堺自由都市文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ハルト

9
磁器によって変わったひとりの男の一生。有田焼の天才絵師である奔放で剛胆な女を娶ったことから、男はのちに愛おしい妻子と別れ海を越え、アジア・イスラム圏にまで渡ることとなる。磁器の発展を通した、男ともう会えない妻子への愛の物語かなと思っていましたが、それにしては最後少し尻すぼみでした。あれだけ妻子への愛を声高に言っていて、かつ濃密に閨の営みを描いていたのに、仕方がないとはいえ父娘側ともにあっけないというか、あまり感慨を催さずな。けれど房事の描写にはやたら力が入っていたりでなんとなくバランスが悪く感じました。2012/09/07

yumi

5
江戸時代の有田焼を巡る話です。焼き物職人の香丹の夫である昇蔵は皿山奉行の命で景徳鎮をめざしますが、諸々の事情から帰国できなくなります。肖昇蔵がいなくなった後の香丹と娘秋香の生き様と景徳鎮のみならず、世界各国を旅する昇蔵の生き様が書かれています。遠く離れていても、お互いを思う気持ちが強く出ていて感動させられます。それぞれが、流されることなく自分の成すべき事を全うしていて潔いです。2013/03/25

gachi_folk

5
有田焼、柿右衛門、景徳鎮、夫婦愛、耶蘇教、イスラム。それらが様々に絡み合い壮大な物語になっている。読み応えはあるが、もう少し有田焼に特化した物が良かったかも。色んな意味で濃厚過ぎた。2012/10/31

ソババッケ

5
有田で赤絵磁器の焼成に成功し、柿右衛門が世に知られるようになった。赤絵は工程を職人が分担していたと考えられており、作者は絵付けに天才絵師の母娘(香丹、秋香)を設定したようだ。そして、柿右衛門様式の代表作「竹に虎」、「色絵組紐文皿」をこの物語の軸に据えた。イスタンブールのトブカピ宮殿には多量の有田製飾皿が残されている。なるほどこういう物語の構成か。しかし、やたらと閨房事が出てくる。男女の絆を描くためのこの作家の境地なのかよくわからないが、そのための減点も大きい。もっと別な描き方も可能なはず。★3.2 2012/09/18

007

4
図書館の新刊本コーナーにあった本書の表紙を見て「もしかして柿右衛門?」と。これが「余白の美」として世界中を魅了した柿右衛門様式の「色絵竹虎」です。景徳鎮の代替え品との立場を返上するべく、女色絵師香丹が「有田の磁器に有田産だと確かにわかる紋章を刻み込む」と必死に取り組む姿は壮絶でした。ストーリーとしてはちぐはぐな部分もありましたが、昨年から肥前の国に住む焼き物好きの私にとっては至福の一冊でした。2012/09/13

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