出版社内容情報
組員で部落解放同盟幹部だった小西邦彦は、財を築き権力を握り大阪の行政・財界に頼りにされた。講談社ノンフィクション賞受賞第一作ヤクザと部落解放運動活動家の二足のわらじをはき、莫大な富と権力を握った男・小西邦彦。晩年に「飛鳥会事件」で逮捕され失意のなか、2007年にこの世を去った。バブルの時代には1ヵ月に呑み代1000万円、その力は市行政、警察、税務署、財界にまで及び権勢をふるった。昭和44(1969)年、部落解放同盟の支部長につき、40年の長きにわたりその職にあったが、次第に人生の目的は福祉事業へと変わってゆき、特別養護老人ホームや保育園の経営に邁進する。それは解放運動の関係者による不祥事が続き、運動が退潮してゆく時期となぜか重なった。
人生の「貧富と清濁」を体現した男の波乱万丈、74年の生涯を描く本格評伝。昨年講談社ノンフィクション賞を受賞した筆者の、受賞後第一作
角岡 伸彦[カドオカ ノブヒコ]
著・文・その他
内容説明
地元はもとより行政、財界が頼りにしたのは、組員で部落解放同盟支部長だった―。被差別部落で生まれ、極貧の生活から這い上がった男は、二〇〇六年に飛鳥会事件で逮捕され、その権勢を失う。七十四年の波乱万丈の生涯を描く“極道支部長”一代記。
目次
プロローグ
第1章 支部長誕生
第2章 ふたつの顔
第3章 銭の花
第4章 母の教え
第5章 ゆがんだ棺
エピローグ
著者等紹介
角岡伸彦[カドオカノブヒコ]
1963年、兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部卒。神戸新聞記者などを経てフリーに。2011年、『カニは横に歩く―自立障害者たちの半世紀』(講談社)で第33回講談社ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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