「死ぬのが怖い」とはどういうことか

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062177429
  • NDC分類 114.2
  • Cコード C0010

出版社内容情報

「脳と心」の最前線をゆく工学者が、無宗教の日本人のために「死ぬのが怖くなくなる方法」をはじめて真剣に論じた、全国民の必読書!村上憲郎氏(元グーグル米国本社副社長兼グーグル日本法人代表取締役社長)
絶賛!

「主著『脳はなぜ「心」を作ったのか』で、独自の「受動意識仮説」を易しく解説してくれた前野教授が、今度はその仮説を使って「死」について易しく網羅的に解説してくれました。「死が怖い」人も「死が怖くない」人も「死」について考える上では、必読でしょう。」

人は誰でも死ぬのはいやなはずなのに、個人差があるようです。
死ぬのが怖くてたまらない人と、時が来たら受け入れると考える人。
前者は悲観論者で、後者は楽観論者であるようにも思えますが、実はそうでもないようです。前者は認識や存在について突き詰めて考える人、後者は死のことを考えないようにしている人、とも言えるのではないでしょうか。
しかし、人は必ず死ぬのだから、本来、すべての人は「死とは何か」について突き詰めて考えておくべきではないでしょか。

そこでこの本は、科学的、論理的、無宗教的立場から、脳神経科学、進化生物学、社会学、心理学、哲学などの学問分野横断的に「死とは何か」「どうして死ぬのが怖いのか」を考えていくものです。

「死ぬのが怖い」とはそもそも心理学的・進化論的・脳科学的・哲学的にどういうことなのか?
「死ぬのが怖い」状態は無宗教者でも論理的に超越できるのか?
そもそも「死」は何のためにあるのか?
こういった問いに対してシステマティックに答えを出す類書は存在しません。無宗教者の多い日本人にとって、そのような本は真に求められているはずです。

この本ではまず、「死ぬのが怖い」人に手を取ってもらうことを起爆剤に、最終的には多くの人に「死とは何か」を考えてもらい、逆に生き生きとした「生」を再発見してもらうことを目指します。
本書の目標は「現代日本人型の新しい死生観」を身に付けることになります。

プロローグ 自分という存在の孤独
第一章 人はなぜ死ぬのが怖いのか?
 死の脳科学、設計学、進化生物学
第二章 死んでも魂が生き残る方法とは?
 死の宗教学、哲学
第三章 死ぬのが怖くなくなる方法とは?
 死の統合学、システムデザイン・マネジメント学
第四章 ルート1 「お前はすでに死んでいる」
 心は幻想だと理解する道
第五章 ルート2 「自殺は悪か?」
 すぐ死ぬこととあとで死ぬことの違いを考える道
第六章 ルート3 「人生は〇・一八秒」
 自分の小ささを客観視する道
第七章 ルート4 「死の瞬間は存在するか?」
 主観時間は幻想だと理解する道
第八章 ルート5 「あなたというメディア」
 自己とは定義の結果だと理解する道
第九章 ルート6 「達人へのループを描け」
 幸福学研究からのアプローチ
第十章 ルート7 「いい湯だな♪」
 リラクゼーションと東洋思想からのアプローチ
エピローグ 死ぬのは怖くない


前野 隆司[マエノ タカシ]
著・文・その他

内容説明

「死ぬのが怖い」ことをちゃんと考えれば、「生きること」を再発見できるはず!無宗教の日本人のために「死の恐怖」をはじめて真剣に論じた、全国民の必読書。

目次

第1章 人はなぜ死ぬのが怖いのか?―死の脳科学、設計学、進化生物学
第2章 死んでも魂が生き残る方法とは?―死の宗教学、哲学
第3章 死ぬのが怖くなくなる方法とは?―死の統合学、システムデザイン・マネジメント学
第4章 ルート1「お前はすでに死んでいる」―心は幻想だと理解する道
第5章 ルート2「自殺は悪か?」―すぐ死ぬこととあとで死ぬことの違いを考える道
第6章 ルート3「人生は〇.一八秒」―自分の小ささを客観視する道
第7章 ルート4「死の瞬間は存在するか?」―主観時間は幻想だと理解する道
第8章 ルート5「あなたというメディア」―自己とは定義の結果だと理解する道
第9章 ルート6「達人へのループを描け」―幸福学研究からのアプローチ
第10章 ルート7「いい湯だな」―リラクゼーションと東洋思想からのアプローチ

著者等紹介

前野隆司[マエノタカシ]
山口生まれ、広島育ち。東京工業大学卒。同修士課程修了。キヤノン(株)、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、ハーバード大学客員教授等を経て、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授。博士(工学)。主宰するヒューマンシステムデザイン研究室では、脳と心から、ヒューマン・ロボットインタラクション、人間・社会システムデザイン、教育学、幸福学まで、人類の平和と幸福のために、多様な研究・教育活動を精力的に行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ベイマックス

75
図書館本。ちょっと自分には難しかったのかな、理解出来なかった。宗教論の否定には、ニヒリズムも含めて分かったような気はする。◎でも、怖いものは怖いし。◎自殺についてもいいのか悪いのかわからなかったし、遺伝情報の伝達だけで生物の体はいっときの乗り物だとすると、子供を産んでしまえばいいのか。多分、解答的な意見は本文にあるのかもしれないけど、読み拾えなかった。◎未知のこと、誰も経験し得ないことだから怖いんだろうな。2020/10/07

あっきー

20
⭐4 死ぬことを考えるためには生きていることがどういうことかの知識が必要だ、生物学の基礎からこの本は説明を始めている、宗教と神と死についてはブッダ哲学的でもあり斬新な見方だ、意識は身体をコントロールする主体ではなく、世界を観測し相互作用する身体をモニターする装置=観劇しているにすぎないし、そもそも自分の心は幻想で、生きてはいるがもはや死んでいるのと大差ないので死は怖くないというのが面白い、最後はタイトルに似てチト説教臭い、考え方は賛同するがこの本のタイトルは家族の目もあるし本棚の目立つ場所に置けないかな2021/05/25

テツ

17
人は死というものを何故忌避するのか。何故生が終わることを恐れるのか。漠然とした不安と恐怖にただ立ち竦むのではなく、そこをしっかりと見据えて自分なりに考えることが自分だけの死生観を創り出す源となり、どう生きていくのかという目的も見出せるようになるんだと思う。生のクオリアという幻想にしがみつかず、森羅万象も幻想であると真に理解した上で改めて死を見つめ直すことだけが、覚悟してこの生を貫き通すという力になる。ニヒリズムの嵐の中から垣間見える世界は理屈じゃなく美しく。2021/02/02

美東

17
著者は私と同世代。専門こそ違え、同じような問題意識をかかえ、同じような過程を経て生きて、同じような結論に達しているようで、その考え方にほぼ同意できる。ただ、私には無いものがある。それは文才である。最後のエピローグを読んで、「まるで詩人だな」と思った。2021/01/14

とももん

11
最初は興味深く読んでたんだけど、徐々に突拍子もないというかついていけなくなった。理屈的、科学的にはあってるのかもしれないけど、精神的な意識は全て幻想だ、心は幻想だ、だから死ぬのは怖くないと言われても、、、。でも、そもそも死んでる無の状態があたりまえで、生きてることがラッキーなのだから、そのラッキーの間今だけ考えていきよう。というのはなんとなく腑におちた。心は幻想なのだから、過去も未来も考えても意味はなく、今、をいきよう、とのこと。うーむ。2017/05/06

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