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東北の震災と想像力―われわれは何を負わされたのか

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  • サイズ B6判/ページ数 243p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062175326
  • NDC分類 369.31
  • Cコード C0010

出版社内容情報

東北の地震以後、人々はコミュニティは土地はどうなったのか。我々は何を負い、未来に何を残してしまったのか。事態と責任を考える。

東北を掘り下げ東北学を立ち上げた赤坂憲雄氏と、阪神大震災体験をきっかけに臨床哲学を切り拓いてきた鷲田清一氏が、2011年の大震災という途方もない出来事について考える。
被災した人びとの姿、コミュニティの状況、東北は日本のなかでどのように位置づけられていたのか、原発事故がもたらしたものは何なのか。言葉を探り、想像するちからの可能性を信じる二人の論客の真摯な対話。

第一章 被災の地で、避難所で、人々は
第二章 自然が力を伸ばしたとき、コミュニティは
第三章 ボランティアの変容、メディアのありよう
第四章 放置された福島の奇妙な静けさ
第五章 われわれは何を負わされてしまったのか

【著者紹介】
1949年生まれ。2007年より大阪大学総長を務め、2011年9月より大谷大学教授。哲学・臨床哲学を専攻。著書に『じぶん・この不思議な存在』『「聴く」ことの力』『京都の平熱』などがある。

内容説明

未曾有の事態をどう捉えるか。東北を掘り東北学を立ち上げた民俗学者と、阪神大震災体験をきっかけに臨床哲学を切り拓いてきた哲学者。言葉を探り、想像するちからの可能性を信じる二人の思索者の真摯なる対話。震災以降に発表された両著者のエッセイ11篇も併せて収録。

目次

第1章 被災の地で、避難所で、人々は(「心のケア、お断り」;東北人のメンタリティ ほか)
第2章 自然が牙をむいたとき、コミュニティは(コミュニティの解体―近未来の先取り;村の解散式 ほか)
第3章 ボランティアの変容、メディアのありよう(ボランティアの概念を広げる;アーティストの活動―新しい社会性へのヒント ほか)
第4章 放置された福島の奇妙な静けさ(福島に張りめぐらされている分断;世の中を覆う静けさの理由 ほか)
第5章 われわれは何を負わされてしまったのか(放棄された責任―事態はだれが引き受けさせられるのか;難民十万という未曾有の事態 ほか)

著者等紹介

鷲田清一[ワシダキヨカズ]
1949年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。大阪大学教授、大阪大学総長を歴任。現在、大谷大学教授。専攻は哲学・倫理学・臨床哲学

赤坂憲雄[アカサカノリオ]
1953年生まれ。東京大学文学部卒業。東北芸術工科大学教授、東北文化研究センター所長を歴任。現在、学習院大学教授。福島県立博物館館長。専攻は民俗学・日本思想史・東北学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

寛生

14
語っていくこと、あきらめず、忍耐をもって言葉を待つということ。参議院選挙で圧勝した自民党の議員が、放射能はそんなに人間の体に影響はないというようなことをテレビで平気で言いはなる時勢のなか、日本全国にある54の原子炉を廃棄にし、それを世界に向けて民主主義国家として責任をもって、そういう言葉を輸出できるようにと、赤坂氏は訴える。赤坂氏のあつーい情熱が伝わってくる。2013/08/01

寛生

12
赤坂氏があとがきにも記すように、鷲田先生のことばは、まさにその「繊細な感触」で溢れているし、何よりも彼のことばは生きている「なまもの」のような感じさえする。私たち一人ひとり、また共同体としても考えないといけない「責任」ではあるが、しかし、その「責任論」についての具体的な議論、対話を、もう少し哲学的な観点から煮詰めて欲しかったという感想を持つ。ふと、レヴィナスについても思いをめぐらしている。宗教、祈りのかたちについてもかんがえさせられた。それと、赤坂氏が言及している《p。77-78》「やわらかく壊れる」とい2013/01/20

けんとまん1007

7
今年の1冊目はこれに決めていた。深く考えざるを得ない視点がたくさんちりばめられている。と言うことは、読み手のよって、そのとらえ方がかなり違うのだろうと思う。この国の危うさがますます大きくなっている今だからこそ、必要なことがある。言い尽くされたこともある・・責任を取らないという志向が蔓延っている。政治屋、官僚、財界、マスコミはもとより、最近は自分の身近なところでも溢れつつある。果たして自分に何ができるのか?そんな中、伊東豊雄さんの”みんなの家”がひとつの方向性なんだろうと思う。素で感じることだ。2014/01/02

壱萬弐仟縁

4
原発事故は無責任。東大話法もそうした実態の暗部で亡霊の如く長年機能してきた。それが今後も続くわけがない。米国は東電を訴えたわけで、TPPの試金石となる。米軍には思いやり予算を毎年何千億円と支給し続けてきたわけで、こうした金を被災地に、生活保護者に支給すべきと思える。責任をとらない構造(164ページ~)。無責任が人災を招いている。想像力のない、モラルのない人が増えて、エゴイスト集団で絆が欺瞞的虚偽となっているようでは、社会の意味はない。福祉のいみもない。福祉社会ではない。日本人のアメリカ人化がダメ日本の素。2012/12/29

takao

3
ふむ2020/03/07

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