出版社内容情報
心に謎を、手の中にミステリを。綾辻&有栖川が送る、ミステリ指南書の決定版!
ミステリの女王、栗本薫と山村美紗は何を想ってミステリを作ったのか――。山田風太郎とチェスタトンの奇妙な共通点とは――。島田荘司と倉阪鬼一郎、奇想が生み出す本格の妙味とは――。ノックスの十戒、ヴァン・ダインの二十則、カーの黄金律、さらにミステリを貫くルールから見える、鮎川哲也のミステリ感とは――。
古今東西の傑作ミステリを楽譜として、綾辻行人と有栖川有栖の“本格愛”が奏でるミステリ・ハーモニー!
内容説明
チェスタトンから山田風太郎、鮎川哲也、島田荘司まで、古今東西の名品を紹介しながら本格ミステリの愉しさを語り尽くす。
目次
第9回 プレ新本格、二人の女王(袋小路の死神―栗本薫;虹への疾走―山村美紗)
第10回 首切りと足切り(秘密の庭―G.K.チェスタトン;赤い靴―山田風太郎)
第11回 グロテスクなヴィジョン(頭のなかの鐘―倉阪鬼一郎;発狂する重役―島田荘司)
最終回 ミステリとルール(探偵小説十戒―ロナルド・A.ノックス;推理小説作法の二十則―ヴァン・ダイン;四つの黄金律―ディクスン・カー;薔薇荘殺人事件―鮎川哲也)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばりぼー
39
DJ風対談&アンソロジーの第3弾にして最終巻。このスタイルの威力を発揮しているのが大トリの鮎川哲也『薔薇荘殺人事件』。作品そのものも楽しめますが、「(原稿用紙120枚という)この長さに入っているアイディアの量、数、バラエティ、全体を包むそういう遊戯精神、全部ひっくるめて犯人あてのお手本」と絶賛する有栖川氏の解説が見事で、思わず感動!その他、栗本薫『袋小路の死神』、山田風太郎『赤い靴』、島田荘司『発狂する重役』などもMJならではの選択ですね。講談社が続編を出さないなら、どこかパクってでも復活させて下さい。2017/12/19
みなみ
26
綾辻さんと有栖川さんのお喋りの間に短編が入り、その後に見どころを振り返るラジオのようなミステリ・ジョッキー3作目。特に最終回は、ミステリとは何かであったり、作家としてのこだわり・美学的なものが感じられて興味深かった。今回紹介されていた作品では、栗本薫の「袋小路の死神」と鮎川哲也さんの「薔薇荘殺人事件」がお気に入り。2022/05/18
みっちゃん
18
三冊ともすごく面白かった。またこういう企画をやって欲しい。2015/10/05
ふう
18
MJも今回の第三弾で一区切りらしい。いちおしは「発狂する重役」。とにかくこれタイトル! ヤバいだろ(いろんな意味で)。そして本格のすべてが入っている言わずとしれた名作「薔薇荘殺人事件」も収録。いやー鮎川先生素晴らしいっす。そう言えば「安楽椅子探偵」って番組あったっけなあ。一回だけ観た記憶が。またやって欲しいわ~スカパーで一挙再放送してくれ。2012/06/16
那由多
17
今のところ最終巻。いやいや、いつか復活すると信じよう。綾辻さんと有栖川さんのミステリ談義はまだ尽きぬようだから。81年当時は、まだ「クローズドサークル」という言葉を使ってなかった、というのは驚いた。用語として普及したのはいつなんだろう。鮎川哲也先生の「探偵小説は機智の文学であると同時に稚気の文学でもある」のお言葉、良いなぁとしみじみ思う。ミステリは遊び心も大切。2019/11/09