出版社内容情報
一匹がひとりを救えたら……。いち早く被災地に駆けつけ、懸命の捜索活動を行ったレイラを通じて、人と犬との絆を見つめなおします。災害救助犬とは、震災が発生したときや、海や山で行方不明になった人が出たときに、すぐれた嗅覚をいかして、被災者を発見する犬のことをいいます。
村田忍さんは、動物と人が、ともに幸せでいられる関係を築きたいと思い、災害救助犬の訓練士になりました。
レイラを災害救助犬に育ててからは、地元・岩手県胆沢郡金ケ崎で、消防団に協力し、迷子さがしを手伝うなどして、地域の安全を守ってきました。
2011年3月11日。そんな村田さんとレイラの運命を大きく変えるできごとが起こりました。東日本大震災です。
村田さんは、12日早朝、自衛隊のヘリコプターに乗って、津波の被害の大きかった大船渡へと向かいました。
「ここが大船渡?」
大船渡は、村田さんの友人も数多く住んでいて、よく知っている町でしたが、目の前にあるのはがれきの山、山、山……とても人が住んでいたところとは思えません。
村田さんは自衛隊に協力して、救助をするために、大きな道路をひらいていく作業を手伝うことになりました。レイラの役割は、がれきの中に埋もれている人を見つけること。しかし、見つかるのは亡くなっている人ばかり……。はじめて出会う遺体にとまどいながらも、レイラは、村田さんに喜んでもらいたい一心で、生きている人を探しつづけます。
人は犬に、犬は人に、何ができるのだろう。
人と動物の絆を考えるノンフィクションです。
井上 こみち[イノウエ コミチ]
著・文・その他
内容説明
2011年3月11日、東日本大震災が発生すると、災害救助犬レイラは、いちはやく被災地にかけつけました。災害救助犬の役割は、すぐれた嗅覚をいかして生存者をさがしだすこと。岩手県大船渡市から宮城県気仙沼市まで、一週間におよぶ捜査活動がはじまりました。小学上級から。
目次
第1章 東日本大震災発生(豊かな自然にかこまれて;二〇一一年三月十一日;災害救助犬レイラ、出動;いざ、被災地へ)
第2章 赤い旗(死んでしまった町並み;無言の発見;静かな空;遺体のある場所に立つ赤い旗;嗅覚への不安;ねぎらい;消防団員の背中;うちの孫をさがして!)
第3章 発見!生きている(レイラ、はげまされる;七十二時間の壁;生きている人を発見;必死の捜索を続ける;一週間をおえて)
第4章 レイラと出会う(災害救助犬とは;犬と信頼しあえる仕事につきたい;災害救助犬との出会い;阪神・淡路大震災で痛感したこと;レイラと出会う;レイラ、災害救助犬になる;指導手の責任;迷子捜索の名犬)
第5章 明日を信じて(復興のきざしの野馬追;震災をふりかえる;レタルとともに)
著者等紹介
井上こみち[イノウエコミチ]
埼玉県出身。日本児童文芸家協会会員。『海をわたった盲導犬ロディ』(理論社)で第1回日本動物児童文学賞優秀賞、『カンボジアに心の井戸を』(学研教育出版)で第28回日本児童文芸家協会賞、『往診は馬にのって』(佼成出版社)で第6回福田清人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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ひらちゃん
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うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
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