画文集 炭鉱(ヤマ)に生きる―地の底の人生記録 (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 226p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062171717
  • NDC分類 567.092
  • Cコード C0095

出版社内容情報

ユネスコ「世界記憶遺産」登録を機に1967年に刊行された画文集を緊急復刊!

世界人類の記憶の殿堂に収められた、あるヤマ人(炭坑夫)の記録――。
山本作兵衛翁が孫たちの世代のために遺した文章と約150点の図版で、
明治・大正期の炭鉱のありのままの姿がいま再びよみがえる!!
50余年、筑豊で炭鉱夫として働き、還暦を過ぎて絵筆を握った作兵衛翁の炭坑画は、
民俗学者・宮本常一氏や記録文学作家・上野英信氏らから高い評価を受けていました。
美学生時代に作兵衛画を模写したこともある
イラストレーター・南伸坊氏による装丁でデザインを一新し、
巻末には、詩人・金子光晴氏、作家・石牟礼道子氏、画家・菊畑茂久馬氏、南伸坊氏らによる当時の書評やエッセイを採録した新装版です。

【著者紹介】
山本作兵衛(やまもと・さくべえ)
明治25年(1892年)福岡県嘉穂郡笠松村鶴三緒(現飯塚市)生まれ。7歳から炭鉱に入り、父の仕事を手伝う。以来50余年、筑豊地方の炭鉱で働き続けてきた。
昭和33年(1958年)、「炭鉱の姿を記録して孫たちに残しておこう」と絵筆を握り、明治・大正・昭和の炭鉱の姿を描き始めた。昭和59年(1984年)、老衰により逝去。今年5月、585点の絵画や6点の日記などが、ユネスコが認定する「世界記憶遺産」に国内から初めて登録された。


山本 作兵衛[ヤマモト サクベエ]
著・文・その他

内容説明

日本初の快挙、「世界記憶遺産」登録。世界が認めた「ヤマ人の記憶」。

目次

1 ヤマの生活
2 ヤマの米騒動
3 ヤマの労働

著者等紹介

山本作兵衛[ヤマモトサクベエ]
明治25年(1892)福岡県嘉穂郡の生まれ。七歳のころから坑内に入り、以来五十余年、働くヤマが閉じられるまでひとすじに筑豊のヤマに生き抜いてきた。昭和33年に「ヤマの姿を記録して孫たちに残しておこう」と絵筆をにぎり、明治・大正・昭和三代のヤマの姿を丹念にうつしはじめる。昭和59年(1984)、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

59
【世界が認めた!「ヤマ人の記憶」】明治25年福岡県生まれ。7歳の頃より坑内に入り、筑豊のヤマ一筋に50余年働いた坑夫が、「ヤマの姿を記録して孫たちに残しておこう」と絵筆を握った記録。2011年には、589点の絵画や108点の日記などがユネスコの世界記憶遺産に登録された。袖に、<本書はその絵と文章を選択編集したものだが、写真もなく記録も残らぬ当時をまざまざと再現して、見るものに新鮮な驚きと深刻な衝撃を与える迫力にみちている。/近代100年の貴重な資料であり、また最底辺の人々のたましいの真実の声である>と。⇒2023/12/24

とよぽん

46
読友さんの感想に興味をもち、図書館で借りた。山本作兵衛さんを初めて知った。絵画や記録文がユネスコの「世界記憶遺産」に登録されて、本書が新装版として発行となったのが2011年7月。まさに、地の底の人生記録だ。炭鉱の町に暮らして石炭を掘り集める仕事に明け暮れる人々の姿や思いがストレートに伝わってくる。読メを通して出会った素晴らしい著書。おそらく自ら手に取る本ではなかったと思うので、読メに、読友さんに感謝。炭鉱に生きた人々のことを、私たちは現代に、そして後世に伝え継がなければならないと思う。2021/12/08

がらくたどん

37
岩見銀山を舞台にした澤田氏の近刊を読みながら。こちらは、明治後半から昭和の各地の炭鉱が廃坑になる時分までの炭鉱労働者であった著者ご自身の生活と労働の記録。炭鉱は女子供も坑道に入る極限の家族労働だった事がわかる。仕事上の工夫やささやかな楽しみに加え事故もリンチも克明に描かれ教科書的なオブラートに包まれた記録ではない。しかし著者の文章は驚くほど冷静で負の感情の雑味がない。明治時代は下罪人と蔑まれ戦時となれば表面だけは石炭戦士とおだてられ人権意識とは程遠い労働環境の暴力でも奪えなかった人の創造性と尊厳が見える。2021/11/13

ここまま

35
なんて味のある絵。もっとおおきなサイズでじっくり眺めたい。7歳から地の底で働き続けてきた山本さんが、60歳を過ぎてから書き始めた絵と文章。その緻密さと記憶の確かさに驚くとともに、自分自身を俯瞰で見ていた聡明さに、時代や環境が違ったらどんな人生をおくったのだろうと考える。でもこの記録を書いたことで山本さんのつらい労働は大きく価値をもち、輝き始めたと信じたい。日本初・世界記憶遺産。2014/08/04

oldman獺祭魚翁

29
図書館本 先に書評を書いた「炭鉱の絵師 山本作兵衛」で説明のみの絵を確認するために借りた。これは絵と共に、作兵衛翁自らの文も載っている。本人は自分を、尋常小学校卒業の無学者で字も卒業後辞書で勉強されたそうだが、矛盾や破綻もなく実直な解り易い文章が書かれており、著者の実直な人柄を偲ばせる。絵特に彩色の水彩画は、その再現力は目を見張るものがあり、解説の金子光春氏も書いておられるが、ヲイチニの薬売りの服装や蓬莱豆売りの衣装など、翁の恐るべき記憶力には驚嘆するしかない。おそらく翁はカラー写真の様にその様子を…続く2016/10/24

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