政治の起源―人類以前からフランス革命まで〈下〉

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  • サイズ A5判/ページ数 370p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062171519
  • NDC分類 312
  • Cコード C0031

出版社内容情報

ベストセラー「歴史の終わり」から20年。フクヤマが最後に選んだテーマは世界・全社会における「政治秩序の起源」だった。自由民主主義が機能し、政治に秩序が生まれるためには、「国家」「法の支配」「政府の説明責任」この3制度のバランスが鍵を握る

いかにして我々は、今日の民主主義の基礎となる政治制度を獲得していったのか。

[本書の主な内容]
●法の支配にまつわる現代の混乱
●CEOとなったローマ教皇
●教会が国家になる 国家が教会になる
●「唐宋変革期」がもたらした中国の近代性
●よい統治機構、悪い統治機構
●政治における説明責任の誕生
●家産制絶対主義のはじまり
●絶対主義に抵抗できなかったフランス
●スペイン国家の財政破綻
●ハンガリーの立憲主義と国家衰退
●ロシア絶対主義の起源
●イギリスの政治的団結の起源
●政治制度の発展の一般的メカニズム
●暴力と機能不全な均衡
●政治制度の発展の過去・未来
ほか

……そうした問いや疑問を持って、『歴史の終わり』以来約20年ぶりに政治制度の問題に本格的に取り組んだのが、本書『政治の起源』である。近代的政治制度は、人類史の中で、どのようにして出現したのか――。実にスケールの大きな問いを、これまた実に壮大な叙述で、とりあえずフランス革命期まで追っている。学問の世界がどんどんと狭い専門領域に閉じこもる時代に、こうした大きな構えで著作を世に問う学者はきわめて少なくなった。一人で通史を書く学者もまれだ。そうした意味で、フクヤマは貴重な存在であり、また学者というより思想家と呼ぶのが相応しい。――<解説より>

(原題)
The Origins of Political Order

第3部 法の支配
 第17章 法の支配の起源
 第18章 教会が国家になる
 第19章 国家が教会になる
 第20章 東洋の専制国家
 第21章 定住する盗賊
第4部 政府の説明責任
 第22章 政治における説明責任の誕生
 第23章 私益追求者たち
 第24章 海を渡った家産制
 第25章 エルベ川の東で
 第26章 完全な絶対主義を目指して
 第27章 課税と代表
 第28章 なぜ説明責任なのか? なぜ絶対主義なのか?
第5部 政治制度の発展の理論を目指して
 第29章 政治制度の発展と衰退
 第30章 政治制度の発展の過去・未来


フランシス・フクヤマ[フランシス フクヤマ]
著・文・その他

会田 弘継[アイダ ヒロツグ]
翻訳

内容説明

自由民主主義が機能し、政治に秩序が生まれるためには、「国家」「法の支配」「政府の説明責任」この3制度のバランスが鍵を握る。

目次

第3部 法の支配(法の支配の起源;教会が国家になる;国家が教会になる ほか)
第4部 政府の説明責任(政治における説明責任の誕生;私益追求者たち;海を渡った家産制 ほか)
第5部 政治制度の発展の理論を目指して(政治制度の発展と衰退;政治制度の発展の過去・未来)

著者等紹介

フクヤマ,フランシス[フクヤマ,フランシス] [Fukuyama,Francis]
1952年アメリカ・シカゴ生まれ。コーネル大学で古典哲学を学んだ後、ハーバード大学大学院で政治学博士号を取得。ランド研究所を経て、1980年代に米国務省政策企画部で中東・欧州を担当。1989年11月、ベルリンの壁崩壊直前に外交専門誌『ナショナル・インタレスト』に発表した論文「歴史の終わりか?」は大きな波紋を投げかけた。現在は、スタンフォード大学でシニア・フェローを務める

会田弘継[アイダヒロツグ]
1951年埼玉県生まれ。東京外国語大学英米語学科卒業後、共同通信社に入社。ワシントン支局記者、ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長を歴任した後、現在は特別編集委員を務める。アメリカ現代思想史・政治・外交に関する論文多数。関西大学客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

22
上巻に比べると下巻のほうがはるかになじみがあり読みやすい感じがしました。スペイン、ハンガリー、ロシア、イギリスと比較して歴史的な観点から分析を詳しくされています。どちらかというと欧州世界史ですが、政治にポイントを充てた歴史の本ということになると思いました。2014/09/16

壱萬参仟縁

18
則天武后(武則天)は、賄賂による 腐敗が横行しても、取り締まろうとしなかった(79頁)。 制度以外に、明王朝の中国には 自己満足の精神の蔓延(101頁)しており、 革新や変革の価値が軽んじられていたのだろう。 中国は後発国だが、 科学や学問、技術革新に対する文化的態度 が遅れのチャージに役立ったと考察される(102頁)。 海外に学ぶことは今でも重要で、 自戒を込めて、日本人が留学しないのはいかんぞよ。 不平等の多くは世襲が原因(146頁)。 本人の努力以外の要素で人生が決まるのは、 フェアではない。 2014/04/10

masabi

17
初めて近代国家を備えた中国ではなくイギリスが「国家」「法の支配」「政府の説明責任」をバランスよく整えたのか。それは中央集権化が進み、伝統的に法の支配が承認され、国家権力と社会組織が上手く均衡したからだと筆者は説く。この3制度がバランスよく機能したため自由民主主義が機能し、政治に秩序が生まれた。上下巻通して中国が念頭に置かれており中国で3制度が上手く整うかを検討することがもうひとつの観点だろう。そしてそれは中産階級の発展が鍵を握る。2014/08/01

yooou

13
☆☆☆★★ 中国、ロシアとイギリスの比較はとても興味深い内容でした。しかしそれらの違いは内外の様々な要因に起因するものであり、これが将来を予測することに使えるのか、更には現在隘路に立つ民主主義を我々の手に戻すための解決策を見出せるようになるのかというとかなり難しいものがあると感じました。2014/08/31

ケニオミ

10
主に西欧の歴史についての書物はそこそこ読んできてはいましたが、本書の内容の濃さに正直脱帽しました。本書はフランス革命までのリベラルな民主主義の発展の歴史を扱っていますが、その広範囲を「よく調べてまとめ上げているなあ」というのが率直な感想です。中でも、カトリック教会が果たした貢献の大きさには大いに驚きました。家産制の下、フランスとスペインが行っていた売官制には開いた口が塞がりませんでした。それに、ロシアの残虐性を色濃く残した政治志向が少し理解できるようになった気がします。自信をもって推薦できる一冊です。2014/02/18

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