出版社内容情報
佐々木譲氏絶賛!
「圧倒的なリアリティ! 取材では書き得ない迫力。
いま検察が抱える問題を鋭く指し示す、きわめて同時代的な問題作!
地検特捜部のありようを、現実に生きる検察官の姿を、ここまで生々しく描き切った小説はこれまであったろうか。わたしたちはいま『検察小説』という新しいジャンルの誕生を見たのかもしれない。これからも検察の内部からこれほど情報性豊かなエンターテインメントが続けて生まれてきたら、と、職業作家として、わたしは少しおののいている。」
密室の女性記者死体・大物政治家「政治とカネ」疑惑――二つの事件が交差するとき、驚愕の真実が明らかに。検察を知り尽くす謎の作家、鮮烈なデビュー作!
「騙されるな。気合を入れて叩き割れ!」
「……そんな供述のどこが真実なんだ」
美貌の女性記者はなぜ殺されたのか?
口を閉ざし続ける容疑者の守り通す秘密とは……。
特捜検事が、巨大組織の壁の中で、孤独な闘いに挑む!
由良 秀之[ユラ ヒデユキ]
著・文・その他
内容説明
「騙されるな。気合を入れて叩き割れ!」「…そんな供述のどこが真実なんだ」美貌の女性記者はなぜ殺されたのか?口を閉ざし続ける容疑者の守り通す秘密とは…。特捜検事が、巨大組織の壁の中で、孤独な闘いに挑む。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Lara
75
ヤメ倹弁護士、郷原伸郎氏の小説。村木厚子・厚労省職員の冤罪をはじめ、一時いろいろ取り出たされた、検察、警察の取り調べの在り方を問いただす作品。本作のように、検察は自分たちで作り上げた筋書き通り、関係者を逮捕、自白の強要、調書を作り上げ、罪人を作っていく。権力を持った人たちのおごりだ。人を信用していない。この後、取り調べの視覚化、記録化が求められて行く。人間には間違いはありうるが、それで罪人を作り上げてはいけない。2020/09/06
さっこ
42
司法ミステリが好きなので一気に読めました。殺人事件と政治とカネの問題が並行して進んでいきます。二つが交差したとき…という流れですが、検察の巨悪を倒すという正義の下で検察自体が事件を作るといった感じは、著者が元特捜検事というだけあってリアリティがあるように感じられました。2018/09/11
ミスターテリ―(飛雲)
35
検察が筋書きを描いて、その通りに捜査を進める、被疑者が認めなければ、恫喝してでも供述させる。有罪率99%のそんな昔ながらの検察の姿を、内部告発や警告もかねて元特捜部検事が描く。検察の仕事を知るうえでも非常に面白かった。特捜はゼネコンの収賄事件で政治家を逮捕しようとするが、その事件を調べていた司法記者が殺人の疑いで逮捕される。犯人逮捕が、同時に検察の闇を暴くことになるとは、驚くべき真実がそこにはあった。検察が舞台なのになぜ題名が「司法記者」なのか見事であった。2021/09/26
ねこまんま
31
検察ものは好きなジャンルだし、殺人事件に新聞記者が絡み、内容は面白いはずなんだけど、汚職が関係すると途端に興味が薄れる。ただ単に私の好みの問題です。そして致命的なのが織田の人間性・・・・。正義感の強い人ですが私は苦手。これも個人の好みの問題ですが(笑)2016/12/19
幹事検定1級
22
二つの事件が最後に結びついていくところから一気に読めました。特捜部という大きな権力をもった組織による冤罪。特捜部が相手にされているのは一般人でなく庶民には別世界ですが、恐ろしく感じながら読みました。取り調べシーンもほとんど言葉の拷問。精神破壊の上、事実を歪曲していくことは許せません。日本の実社会ではそんな事はない事を祈る読了です。2016/11/13
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