愛を知らなかった子―ネグレクトされた少女が家族を得るまで

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  • サイズ B6判/ページ数 269p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062169837
  • NDC分類 936
  • Cコード C0098

出版社内容情報

ピューリッツア賞受賞の実話を元にしたノンフィクション。実母にネグレクトされた少女が「人に愛され、愛すること」を学ぶ感動の軌跡

ピューリッツア賞受賞の実話をもとにした感動のノンフィクション。

実母による信じがたいネグレクトによって、八歳まで言葉を発したことがなかった少女ダニー。抱きしめられたことがなく、トイレに行って用を足すことも知らず、服を着ることも、食事の仕方も知らなかった。おむつ一つの姿で、ゴキブリと排泄物にまみれ、実母からはモノのように扱われ、暗闇の中で一人、生きのびていた。実母からも世間からも見放されていた彼女に保護施設で出会うなり、ひと目で惹かれたダイアンとバーニーの夫婦は、ダニーを養子に迎え入れようと決意する。「誰かがこの子に、愛されることを教えなければならない」という強い思いだった。

しかし二人の行く手には、実母の理不尽な妨害、本来子どもを守るはずの公的機関の不備、アメリカの複雑な養子縁組制度という壁が立ちはだかっていた。さらに、ネグレクトが原因で、「人とつながりをもつことが不可能」と医師に診断されたダニーだったが、夫妻とその息子ウィリーとのふれあいで、少しずつ心をひらいていく。愛を知らなかった少女が、ごくあたりまえの家族になるまでの軌跡を真摯な文体で綴った本書は、現代社会に潜むネグレクト問題に警鐘を鳴らすととともに、人と人との絆を改めて教えてくれる。

はじめに
第1章 家族をもつということ
第2章 家族を必要とする子
第3章 わたしたち」を必要とする子
第4章 野生児と呼ばれた子
第5章 ダニエルと会う日
第6章 世界に見過ごされた子
第7章 どこにも居場所のない子
第8章 八歳の誕生日
第9章 愛を知らなかった子
第10章 蝶は自由に飛び回る
第11章 タイミングがすべて
第12章 たくさんの愛と辛抱
第13章 家族になる運命
第14章 ハローキティの部屋へ
第15章 位置について、用意、ドン!
第16章 「僕たちのこと、忘れちゃったの?」
第17章 ふたたびわが家へ
第18章 ゼロ地点からのトレーニング
第19章 おむつをつけたバレリーナ
第20章 リーロウ家の娘ダニー
第21章 初めてのクリスマス
第22章 どんなときも家族は一緒
第23章 世間の注目を集める
第24章 お兄さんという才能
第25章 ネグレクトを生き延びた子
エピローグ
謝辞

【著者紹介】
ダイアン&バーニー・リーロウ
養子として迎え入れたダニーもふくめ、六人の子どもをもつ善き家庭人。
リーロウ夫妻が、ネグレクトされていた少女ダニーと出会い、引き取るまでを紹介した
『セント・ピーターズバーグ・タイムズ』紙の記事は大きな話題となり、ピューリッツア賞を受賞。
『オプラ・ウィンフリー・ショー』にも取り上げられ、全米に感動を巻き起こす。
テネシーの農場で、ミニチュアホース、山羊、鶏、ピレネー犬とともに自然と親しみながら暮らしている。

内容説明

8歳まで、言葉を発したことがなかった。抱きしめられたことがなかった。トイレに行って用を足すことも、食事の仕方も知らなかった。母からも世間からも見放されて生き延びた少女ダニー。わたしたちは、この子の家族になれるのだろうか?ピューリッツア賞受賞の実話を元にした感動のノンフィクション。

目次

家族をもつということ
家族を必要とする子
「わたしたち」を必要とする子
野生児と呼ばれた子
ダニエルと会う日
世界に見過ごされた子
どこにも居場所のない子
八歳の誕生日
愛を知らなかった子
蝶は自由に飛び回る〔ほか〕

著者等紹介

リーロウ,ダイアン[リーロウ,ダイアン][Lierow,Diane]
六人の子どもをもと善き家庭人。リーロウ夫妻が、ネグレクトされていた少女ダニーと出会い、引き取るまでを紹介した『セント・ピーターズバーグ・タイムズ』紙の記事は大きな話題となり、ピューリッツア賞を受賞。「オプラ・ウィンフリー・ショー」にも取り上げられ、全米に感動を巻き起こす

リーロウ,バーニー[リーロウ,バーニー][Lierow,Bernie]
六人の子どもをもと善き家庭人。リーロウ夫妻が、ネグレクトされていた少女ダニーと出会い、引き取るまでを紹介した『セント・ピーターズバーグ・タイムズ』紙の記事は大きな話題となり、ピューリッツア賞を受賞。「オプラ・ウィンフリー・ショー」にも取り上げられ、全米に感動を巻き起こす

庭田よう子[ニワタヨウコ]
翻訳家。慶應義塾大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころりんぱ

38
親にネグレクトされていて、8才で保護された時には、裸にオムツ、話すことはおろか、自分で食べることも出来なかった少女ダニエル。養子を求めていたリーロウ夫妻と出会い、家族として迎えられるまでのドキュメント。言葉や知能の発達には臨界時期があり、その時期に全く放置されて育った子どもの悲惨さが伝わる。深い愛情と使命感で、困難な事を、時にはユーモアに変えながら、ダニエルを家族の一員として育てている夫妻に、これからも大きな喜びがありますように。2013/11/17

たまきら

28
朴訥とした夫妻の人柄が伝わってくるような文章に引き込まれるようにして読んだ。養子を受け入れたい、と思ってからの長い工程にはぎょっとしたけれど、必要悪なんでしょうね。その後白黒の女の子の写真に釘づけになり彼女の親になりたいと思う二人。でも彼女は7年ものあいだネグレクトされてきた子だった・・・。ショッキングな描写も写真もないのに、胸が凍えるよう。オムツも取れず、一人で着替えもできない女の子がどこまで成長できるのか。この本は正直にわからない、と伝える。そしてネットで10年後の記事を読んだ。2019/03/07

caramel

19
内容は嫌いじゃないし、むしろ興味があるから読み始めましたが、これは久しぶりに読むのを断念しようかなと思うほど私には苦しかったです。こんな事をここで書くべきではないとは分かってるんですが、他人でもこれほど大切にしてくれようとする大人がいる事が羨ましくて、色んな辛い過去がフラッシュバックされかなり苦しかったです。素晴らしい本だと思うのに、しっかり直視するのは私には眩しかったようです。2022/10/19

いっちゃん

15
ネグレクトによって、かなりひどい状態のダニーを養子にもらい受け、一緒に暮らす。言葉にすればたったこれだけのことだけど、もはや戦いのよう。なのに、この本からは、ダニーの世話が大変だなんて全然感じさせない。それどころか、一緒にいる幸せを想像して、微笑んでしまうような場面も多々あった。日本では養子があまり一般的ではないように思うけど、こんな幸せな道もあるんだってこと知っていても良いと思った。2017/11/28

入江大和

5
これからのダニーが幸せでありますように、予後が少しでも良くなりますようにと祈らずにはいられない。それにしても、このご夫婦の懐の深さ、愛情の深さには頭が下がります。2016/08/17

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