出版社内容情報
優しさあふれる大人気時代小説シリーズ 江戸深川。木戸番小屋に住むお捨と笑兵衛の夫婦は、町の人たちをいつも優しく包み込んでいる。端正な文章で人生の機微を描きだす人気シリーズ第5弾!
内容説明
江戸深川。人の心に灯をともす木戸番夫婦の物語。孤独や後悔を抱え生きる人達にそっと手をさしのべるぬくもりに満ちた八篇を収録。
著者等紹介
北原亞以子[キタハラアイコ]
東京新橋生まれ。1969年「粉雪舞う」で小説現代新人賞佳作、「ママは知らなかったのよ」で新潮新人賞、1989年『深川澪通り木戸番小屋』で泉鏡花文学賞、1993年『恋忘れ草』で直木賞、1997年『江戸風狂伝』で女流文学賞、2005年『夜の明けるまで深川澪通り木戸番小屋』で吉川英治文学賞を、それぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
ミスランディア本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kazu@十五夜読書会
64
深川澪通りシリーズ第5弾八篇の短編集。木戸番小屋に住むお捨と笑兵衛の夫婦は、町の人たちをいつも優しく包み込んでいる。孤独や後悔を抱え生きる人達にそっと手をさしのべるぬくもりに満ちたやさしさ、問題解決にはいたら無くてもお捨と笑兵衛の夫婦に、相談するといつも優しく包み込んでくれる。講談社 (発売2011/6/8)購入本。2013/06/17
ぶんこ
53
お捨さんと笑兵衛さんの馴れ初め?が、さりげなく書かれていてビックリしました。 お捨さんにも激しい思いがあったのですね。 そんな昔があって、人の心の中に土足で踏み込まないかたちで、優しく寄り添えるのでしょうか。 風邪をこじらせたお俊さんが、一人ぼっちと心細くなる気持ち、人付き合いが苦手で、夫婦だけで仲良くしている我が家を省みて、連れ合いが万一の時を考え、怖くなりました。 我が家のそばにも、お捨さん夫婦がいて欲しいと切実に思いました。 心が弱っている時に、ふくよかな温かい手は、何よりの薬ですね。2015/05/31
ふう
41
木戸番小屋シリーズ5作目。8篇のどの話もすっきりとよかったと言える終わり方はなく、ままならない人生の切なさがただようものばかり。お金や名誉から遠く離れてその日その日をやっと暮らす人々が、ささやかな幸せを求めて悩んだり迷ったりしている様子が描かれています。そんな人々に寄り添い、やさしい眼差しで手を差し伸べるお捨てさんと笑兵衛さんの生き方が心に沁みます。同じように苦しんで生きてきた二人だからこその思慮深さと明るさ。わたしも辛くなるとお捨てさんに会いたくなります。2013/09/16
BlueBerry
26
お捨さんの人柄の良さに惹き込まれました。所謂、江戸の人情物と言う感じですね。雰囲気も良かったし癒されている感じがしましたよ。お勧めです。2013/07/10
ひらちゃん
20
木戸番小屋に住むお捨と笑兵衛夫婦のやさしさが沁みる。悲しみや孤独を抱える人たちにそっと差し出されるお捨のやわらかい手。シーリーズ物とは知らずに読みましたが、短編の為か気にならず。お捨のような人がいたらなあ。ふんわりと優しい気持ちになれるかも。2015/05/11