「ワタクシハ」

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  • サイズ B6判/ページ数 275p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062167086
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

20代の気鋭が描くリアル・シューカツ小説高校生でメジャーデビューという経歴を持つ大学生ギタリスト・太郎。過去の栄光を武器に始めた就職活動だったが、待っていたのは圧倒的に残酷な己の現実で……

内容説明

人生賭けたい夢がある。でも、内定は欲しい。かつて、高校生でギタリストデビューを果たした山木太郎。しかし栄光も束の間、バンドは解散。すっかり燻り、大学三年の秋を迎えた太郎の周囲は「シューカツ」に向けて慌しく動き出していた。その“一発逆転システム”に魅せられ、就活戦線に身を投じる決意をする太郎。「元有名人」枠で楽々内定を勝ち取れると思っていたのだが―。就職氷河期「以下」の今に問いかける、書き下ろし最新長篇。

著者等紹介

羽田圭介[ハダケイスケ]
1985年生まれ。明治大学卒業。高校生のときに応募した「黒冷水」が第40回文藝賞を受賞、18歳にして小説家デビューを果たす。2008年「走ル」で第139回芥川賞候補、2010年「ミート・ザ・ビート」で第142回芥川賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーちゃん

63
高校在学時にメジャーデビューしたプロギタリストと周囲のシューカツに纏わる話。主人公のTAROこと太郎の特異な経験や特徴に作者本人の経歴が反映されていて、そちらも興味深い。当時の就職状況は超氷河期で、東京有名私大の学生ですら厳しい戦いを強いられたようだ。「受ける側だけではない、選ぶ側も曖昧な基準で動いている就活戦線は、ただただ混沌としていた。」軸のない世界に振り回される中でも、TAROの反応は冷静で健全で現実的だ。起伏に富む展開より、日々の過程を描くのが得意なのか、私はそんな羽田さんの描写が好ましい。2015/09/11

harass

56
初読みの作家。大学生三年の主人公はバンドのギタリストとしてプロ活動をしているのだが、デビューで大ヒット後、バンド解散で、収入も乏しい。彼女やまわりも就職活動真っ最中で、主人公も就活を始めるのだが…… 主人公視点で話がすすむ。個人的には主人公にいまいち共感できずで、どう読むべきかいろいろ頭をひねった。就活小説というのかなあ。自分の努力も関係なくどうあるべきかがない混沌とした就活と社会であがく主人公たちというところか。どちらかというとこの作家の代表作とはいえないようで、ほかの受賞作を読みたい。2018/04/25

やこ´•ᴥ•`

42
羽田さん初読み。若くしてプロのギタリストとして成功した太郎が、売れなくなってしまった今、シューカツをする話。---太郎の行く末が気になって、どんどん読み進めました。著者が明治大学卒とのことで、きっと太郎も明治大学の設定なんだろうと思うけれど、有名大学でありながら、超ストイックな太郎でもなかなか内定が得られないストーリーは息苦しくなりました。でもきっと、ギタリストとしてやって行くつもりなのか、諦めて一般社会人となるつもりなのかハッキリしなくて、それを会社側も見抜いていたのかな。→2015/12/29

nyanco

30
就職大氷河期の今だからこその就活小説。就活事情が実に詳しく書かれていて、就活生を息子に持つ母としては、興味深く読めました。エントリーシートの事や、WEB上の就活サイト、有名就活ブロガーや、大手広告会社の大量記念受験の話など、本当に今の就活事情をリアルに表現していて、読みやすく、今の学生さんは大変なんやね~と身につまされる。夢を追い続けるもの、挫折した夢に帳尻を合わせ自分を納得させる者…とTAROの友人達の選択はよかったのですが、TAROの自身の選択が…。羽田さんらしく突き抜けて欲しかったですね。続→2011/02/03

さなごん

28
初めての羽田さん。就活の話。朝井さんの「何者」よりもさらに苦しい感じが。私は就活はしなかったけどなかなか採用試験受からなかったからなんかわかるわ。ラストがなんかよかったな2015/10/22

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