パラドックスの悪魔

池内 了【著】/ワタナベ ケンイチ【絵】

講談社（2010/05発売）

• サイズ 新書判／ページ数 127p／高さ 20cm
• 商品コード 9784062162562
• NDC分類 410.9
• Cコード C0042

出版社内容情報

ある村に1人だけ床屋がいて、彼は「村の住民のうち、自分でヒゲを剃らない人全員の、そして彼らだけのヒゲを剃っている」と称しています。では、この床屋は自分のヒゲを剃るのでしょうか、剃らないのでしょうか？――＜詳しくは31ページ参照＞

内容説明

悪魔のささやきがおもいがけない発見につながる？！科学との出会いのきっかけになる新しい科学読み物。論理力を磨く知的ゲーム。

目次

第１章　古代ギリシャのパラドックス（ゼノンのパラドックス；プロタゴラスのパラドックス　ほか）
第２章　レトリックのパラドックス（アンブローズ・ビアスのパラドックス；マーク・トウェインのパラドックス　ほか）
第３章　物理学のパラドックス（「無」から「有」が生まれるパラドックス；生成と破壊のパラドックス　ほか）
第４章　生命世界のパラドックス（毒と薬のパラドックス；生と死のパラドックス　ほか）
第５章　現代社会のパラドックス（便利になれば多忙になるというパラドックス；成長路線のパラドックス　ほか）

著者等紹介

池内了［イケウチサトル］
１９４４年、兵庫県生まれ。京都大学大学院理学研究科物理学科修了。理学博士。国立天文台教授、名古屋大学教授、早稲田大学教授などを経て、総合研究大学院大学教授。専門は物理学

ワタナベケンイチ［ワタナベケンイチ］
１９７６年、東京生まれ。１９９８年ＨＢファイルコンペ特別賞、９９年西瓜糖にて初個展「キスとビール」、２０００年ＨＢファイルコンペ藤枝リュウジ賞。雑誌『ｋｕ：ｎｅｌ』（マガジンハウス）、『日経ｋｉｄｓ＋』（日経ＢＰ出版センター）、『ダ・ヴィンチ』（メディアファクトリー）の仕事や、「超熟食パン」広告キャラクター、絵本なども手掛ける（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[KAZOO]

さらっと読める本で初心者向きあるいは中高生向きのような感じの本です。しかも説明だけではなくカラフルな挿絵がついていて楽しく読めます。パラドックスの歴史から始まり、レトリックや物理学、生命世界あるいは現代世界におけるそのパラドックスについての説明がありわかりやすさがありました。

2016/03/20

[kiisuke]

うーん！ とっても難しかったです（笑）久しぶりに学生に戻った気分でウンウン唸りながら読みました。でも何だろう、訳はわからなくても何故かすごくワクワクするのです！頭がぐるぐる混乱しながらもこれ、勉強していったらすごく楽しいのかもしれない！このままじゃ勿体ないなって。もっと勉強していろんなこと知りたいと心から思えました。そしてこんな私にも『なるほど！』と目から鱗の興味深い部分も所々にありましたし、また少し視野を広げることができた気もします。大きな刺激を与えてくれた一冊。素敵なお気に入りさんの感想に感謝です♡

2015/05/21

[中島直人]

パラドックスについて徒然なるままに、といった感じ。ちょっと内容薄くて物足りない気もするが、面白いテーマについて気楽に読めて、一通り学べる。

2017/11/05

[びすけっと]

2010年5月刊。「科学の栞」つながりの流れにて。遠征先図書館で発見。パラドックスというと思考実験に用いるように感じるのですが、本書はそのようなものばかりか、すでに社会が内包しているものまで記されていました。原子力の平和利用はパラドックスの悪魔かなと。悪魔ではないパラドックスはおもしろいと思います。私自身の思い込みによるレトリックのパラドックスにはまることが多いかな～　この一連のシリーズ、もっと読みたいのですが巻末に載っていないのですよ。

2015/07/22

[BIN]

古今東西のパラドックスについて簡単に説明してくれてわかりやすい。有名なアキレスと亀のゼノンのパラドックスから始まり、ゲーデルの不完全性定理の說明にも使われるクレタ人のパラドックスなんてよく考えられものだなと思う。ラプラスの悪魔とか必要だったのかなとちょっと思う。核抑止のパラドックスは面白かったですね。時間短縮で便利になるも齷齪と多忙になるというパラドックスが悲しい現実。。。

2017/10/23