内容説明
政変と兵乱、災異と疫病。律令国家草創期の困難な時代。天皇は、そのすべてを背負った。歴史家として真摯に史料と向き合い、東大寺の住職として人間への洞察を深めてきた著者が描く、“格闘する天皇”の実像。
目次
作られゆく虚像
首皇子の帝王学
仁徳の帝たらんと
喜びと悲しみと怒りと
天皇家婚姻の不思議
民を豊かに公平に
責めは予一人にあり
経史から釈教へ
新たな都を求めて
画期的な土地制度改革
蘆舎那大仏造立へ向けて
大仏造立を諦めず
陸奥に黄金の花咲く
太上天皇として臨む
蘆舎那大仏開眼会の盛儀
天平最後の輝き
著者等紹介
森本公誠[モリモトコウセイ]
1934年、兵庫県生まれ。京都大学卒。文学博士。専攻はイスラム社会経済史。京都大学講師を経て、2004年に東大寺別当・華厳宗管長に就任。現在、東大寺長老、東大寺総合文化センター総長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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rinrinkimkim
5
今年一番時間のかかった読書となりました。聖武が1300年前に建立したお寺の長老が語りつくした1冊です。社会福祉の充実(浮浪者って奈良時代にもいたんですよ)戸籍の作製と民の幸せだけを願った、聖武。筆者にしてみれば自分のいる組織の創業者ですから盛ったり、悪いところは忖度してとあるでしょうが、これだけの記録が正倉院に、東大寺に、残されていることに驚きでした。本書をもって一時この時代の読書はお休みしますが来年にはまた読みたい、学びたいという気持ちでいっぱいです。万葉集も勉強しなきゃ!2019/11/21
takao
0
ふむ2025/02/16