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カイエ・ソバージュ

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  • サイズ A5判/ページ数 842p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784062159104
  • NDC分類 160.4
  • Cコード C0010

出版社内容情報

選書メチエシリーズの全5巻で15万部を売り上げた「カイエ・ソバージュ」の愛蔵決定版。
シンプルで気品あふれる装丁と、2段の美しい組み版になって、一巻本になりました。

序文
第一部 人類最古の哲学
第二部 熊から王へ
第三部 愛と経済のロゴス
第四部 神の発明
第五部 対称性人類学


中沢 新一[ナカザワ シンイチ]
著・文・その他

目次

第1部 人類最古の哲学(はじまりの哲学;人類的分布をする神話の謎;神話論理の好物;神話としてのシンデレラ;原シンデレラのほうへ;中国のシンデレラ;シンデレラに抗するシンデレラ;片方の靴の謎;神話と現実)
第2部 熊から王へ(ニューヨークからベーリング海峡へ;失われた対称性を求めて;原初、神は熊であった;「対称性の人類学」入門;海岸の決闘;王にならなかった首長;環太平洋の神話学へ;「人食い」としての王―クニの発生;「野生の思考」としての仏教;熊の主題をめぐる変奏曲)
第3部 愛と経済のロゴス(全体性の運動としての「愛」と「経済」;交換と贈与;純粋贈与する神;増殖の秘密;埋蔵金から聖杯へ;最後のコルヌコピア;マルクスの悦楽;聖霊と資本;荒廃国からの脱出)
第4部 神の発明(スピリットが明かす神の秘密;脳の森の朝;はじめての「超越」;神にならなかったグレートスピリット;自然史としての神の出現;神々の基本構造(1)―メビウス縫合型
神々の基本構造(2)―トーラス型
高神から唯一神へ
心の巨大爬虫類
未来のスピリット)
第5部 対称性人類学(対称性の方へ;夢と神話と分裂症;“一”の魔力;隠された知恵の系譜;完成された無意識―仏教(1)
原初的抑圧の彼方へ―仏教(2)
ホモサピエンスの幸福
よみがえる普遍経済学
形而上学革命への道案内)

著者等紹介

中沢新一[ナカザワシンイチ]
1950年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、多摩美術大学芸術人類学研究所所長。思想家。著書に『チベットのモーツァルト』(サントリー学芸賞)、『森のバロック』(読売文学賞)、『哲学の東北』(斎藤緑雨賞)、『フィロソフィア・ヤポニカ』(伊藤整文学賞)など多数ある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roughfractus02

15
対称性の破れが国家を生み出すという仮説の下、インディオ、ネイティブ・アメリカン、イヌイット、アイヌ、そして東アジアに渡る環太平洋の習俗に国家に抗する先史社会のミッシングリンクを想定して対称性社会と名づけた本書は、その破れが起こる場面を構造人類学や精神医学が用いたトポロジーで説明を試みる。現生人類の知性の流動化が超越性を生み出す際、高次元に止まらず一元化へ進むと対称性は崩れるとする本書は、一方で考古学、人類学、経済学、宗教学、脳科学を横断しつつ、一元化する国家に抗する高次元が現代人の脳に残存することを示す。2023/05/12

キヨミズ

8
祖母が贈り物としてくれました。内容の厚さに満足です。祖母に感謝。童話と絡めた人類学の章が興味深かったです。身近な童話の話でいくと「シンデレラ」。世界の各国によってシンデレラのストーリーが違うとは少なからず聞いたことがあるはず。さて、なぜ違うのでしょう。違いから見いだせる人の根本的な部分とは。他にも「古事記」からイワナガヒメの「バナナ型神話」。読みごたえもあり、少し難しい内容ではありますが、とても面白い一作です。2014/11/13

けいぎ

2
中沢新一思想の核心、または序説。/ 石器時代に脳の仕組みが劇的に変化した人類。その革新によってうまれた「流動的知性」・「神話的思考」を純粋抽出する作業。その思考の原型をとどめている あまたの神話・民話を読み解き、それをマルクス・バタイユ・ラカンらの思想と結合させる。純粋贈与、精霊、王権、熊、享楽は、彼の中で ひとつながりである。/ 読みはじめは、いい加減なことをいう奴だ……としか思わなかったけど、400ページを過ぎたあたりから、筆者の息遣いがわかってきて、面白くなった。細かいことは気にせず読もう。2014/12/27

nakaji47

2
高校の頃、現国の授業で「キリスト教的なるもの」という一文の解釈を巡って議論が紛糾した事があった。NYで大停電が起きた際、暗闇の中で外人に「日本人は月や星にさえ精霊が宿ると信じているから、真っ暗闇でも怖いと感じないのでしょう」と訊かれる。違う。日本人は決して精霊を見ているのではない。月は月そのものとして見ているのだ。それこそが「キリスト教的なるもの」に対峙しうる唯一のものだ、という文章だったと思う。当時解答は見出だせず、以来二十数年、心の奥底に残ったままだったが、漸く解答を得ることができ、深い感動を覚えた。2011/12/13

晴間あお

0
数年ぶりの再読。少しは以前よりも理解できたかなと思うけれど、この分厚い本をすべて理解するにはまだまだです。なにしろ人間の思考や思想がどう変わり、その影響でどうなったかということの根っこの部分を数万年規模で書いているのだから、かなり幅広い知識が要求されます。分けて専門的に考えることが当たり前の昨今、幅広い知識をぎゅっと凝縮することはまさに流動的知性の実践という感じ。読むのは大変でしたが、知の知の探求の旅という感じで読み終えたという達成感がありました。数年後にまた読み返したいと思います。2016/05/17

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