内容説明
自称・探偵の矢能が突然呼び出された先で目撃したのは、依頼人の死体と覆面姿の男。銃を向ける覆面男の意外な行動に、矢能は窮地に追い込まれる。周到に用意を重ね、完璧にやり遂げた殺人。予期せぬ闖入者が現れたが、無事に問題を処理した。はずだった。成功の喜びの直後、若き殺人者に絶望が訪れる。あの男は何者なんだ。
著者等紹介
木内一裕[キウチカズヒロ]
1960年、福岡県生まれ。2004年、『藁の楯』で小説デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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美登利
102
これは面白かった!前作は何だかちっとも報われないし、バイオレンスな部分が多すぎて読んでいて痛かったのですが、腕の良い「私」から探偵を引き継いだ矢能は元ヤクザだけあり、強いところが良かった。無駄にやられないしハッタリが効いてカッコイイ。ストーリー展開もスムーズに進んでいて、少しコミカルなところもあって段々と木内さんの本領が発揮されてきたんじゃないかなと感じました。栞ちゃんは10歳くらいに思えます。三部作らしいので、次も読みます!2017/10/13
ゆみねこ
93
探偵事務所を引き継いだ矢能。滅茶苦茶ハードボイルドですが、本当の悪党を懲らしめる展開なので小気味よく読めました。栞ちゃんが良い子で、一服の清涼剤。面白かったです。2017/05/25
たいぱぱ
79
やっぱ面白れぇ!!ハードボイルド&ハートウォーミング。元ヤクザの探偵矢能が繰り出す勧善懲悪…いや勧悪懲悪の血塗れたパンチにまたノックアウト!手法は全然違えど、読後感は伊坂幸太郎さんみたいだ。もっとも伊坂さんはスカッと爽やかコカ・コーラだが、木内さんのは血塗れのマムシが入った正体不明のエナジードリンクだが。本作は矢能に加えて敵側である池上数馬も魅力的だ。そして7歳の栞がまたたまらん!母であり妻であり娘でもあり黒木華(?)でもある心の傷を隠した健気さにどんな悪党でも護りたい気持ちが溢れ出る。さぁ次作も行くぜ!2023/02/22
taiko
76
元ヤクザの探偵矢能が依頼された先で出会ったのは、殺されたばかりの男の死体と覆面の犯人だった。…前作の記憶が薄れつつありましたが、面白く読みました。今回改めて著者の作品の読み方、楽しみ方を知った感じ。前作をもう一度読みたい気分です。矢能は、元極道という経歴からの繋がりもあり、探偵業には最適様子。肝も据わっているので怖いもの知らずなところがカッコイイんです。栞の存在で優しい姿も見ることが出来るし、とっても魅力的な主人公でした。登場人物全てに役割があり、最後にはすっかり伏線が回収されるため読後感はスッキリです。2019/07/02
紫綺
74
周到に用意を重ね、完璧にやり遂げた殺人。成功の喜びの直後、若き殺人者に絶望が訪れる。無垢な殺人者の完璧な計画を狂わせたのは、最も危険な目撃者だった!最後はマルっと怪傑!いや解決‼️2020/11/28