出版社内容情報
ついにシリーズ完結! 三つの国が、それぞれの思惑を秘めて動き出す。個性あふれる三人の王子・王女と、ソニンの運命は? 小学上級から
菅野 雪虫[スガノ ユキムシ]
著・文・その他
内容説明
落ちこぼれの巫女と言いわたされ、すべてを失ったところから始まった少女の物語―。里におりたソニンは、三つの国を知り、そこに生きる人々と交わり、悩み・悲しみ・希望・喜びを実感しながらひとりの人間として豊かな人生を歩む道を見出してゆく。感動の最終巻。
著者等紹介
菅野雪虫[スガノユキムシ]
1969年福島県浜通り生まれ。2001年「橋の上の少年」で第36回北日本文学賞受賞。2005年「ソニンと燕になった王子」で第46回講談社児童文学新人賞を受賞し、改題加筆した『天山の巫女ソニン(1)黄金の燕』でデビュー。同作品で第40回児童文学者協会新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
75
児童書。YA。最終巻。巨山(こざん)・沙維(さい)・江南(かんなむ)の王子王女は誰も戦争を望んでいない。しかし欲や野望もしくは「自分こそが正義」との思い込み等から動き出すそれぞれの思惑に流され、避けることのできない立場から巻き込まれていく。▽7割の法則「人間のうち7割は流されやすい」まわりの動きや噂や、自分の欲に流され、しかたないと行動してしまう人間が7割もいる。状況や環境次第でも変わる。「自分を持ち続ける」ことができる人間でありたい。▽児童書だけど、大人が読んでもうなずける名作だと思う。2021/08/30
ほたて
26
あぁなんて清々しい、清廉潔白な…。児童書のお手本のよう。そして大人なわたしは物足りないと感じています。歴史ものにも恋愛要素って少しはあるのではないでしょうか。でも、いいんだ、この物語はこれでいいんだ、ときれいにおさまった静かな風景を見ながら心の中はもやもやとざわついています。きっとここから読書の幅が広がって、歴史にハマる子がいそうです。2015/04/28
♡CHAEYONG♡
23
最後だからか、一番ドキドキした。是非本好きの人には読んでもらいたい一冊です!2021/05/14
ぽてちゅう
23
巨山、沙維、江南の3つの国の次世代を担う王子・王女と落ちこぼれ巫女ソニンの物語。児童文学だけあって優しい語り口なのですが、外交駆け引き、戦争が起こるカラクリ、噂や欲に流される人間心理、そして主従の篤い信頼関係など大人顔負けの内容です。もっと新しい確かな知識を蓄積するために勉強し直す旅に出たい。ソニンが皆を置いてけぼりにするくらいの勢いで前へ前へ進んでゆこうとするラスト。成長したソニンにまた会いたいと思ってしまうのは我儘でしょうか。2021/02/01
あおい
22
最終巻。巨山と江南が盟約を結び沙維を攻める。民の為とそれぞれ思いを巡らす王子、王女、ソニン。特にイェラ王女の魅力が光ってました。2017/05/28