永遠のかけら

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  • サイズ B6判/ページ数 205p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062155113
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

希之果は、子供のときから、ひとを好きになる気持ちがどうしてもわからなかった。それは、大人になった今もわからない。ほかの人たちには当たり前の感情もとても不思議なものに思える。そんな彼女に、たったひとりだけわすれられない男性がいる。突然、再会することになった彼の前で、希之果は動揺する。ふつうの女の子の、ちょっと変わった物語。

著者等紹介

高瀬ちひろ[タカセチヒロ]
1971年、東京生まれ。2005年第二九回すばる文学賞を「踊るナマズ」で受賞。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

90
切なかったです。愛がわからなくて揺らぐ心に凄く共感します。人を好きになる心が死んでいるという普通の人とは違う位置にいるんですよね。好きという気持ちは当たり前なのかもしれないけれど、同時にとても不思議な感情だと思います。気持ちが重なるところが多くて、胸がぎゅーっとなりました。好きとか愛とかって永遠の謎であり、突如落ちて来る感情なんだろうなと感じました。凄く共感します。2016/03/28

ゆか

42
人を好きになるとはどういうことなのか。同じ時期に映画「ps.アイラブユー」をみた。キスしてみて「妹としているみたいだった」「私も」とお互いの気持ちに気づいていたけど、片方だけ恋心を抱いていたというようなときはどうなるのだろう?「希之果を好きになればいいなって思ったんだ。そうしたら、楽になれる気がした。気心も知れてるし、話しやすいから。でも、恋愛とは全然違った。」もしかしたら、こういう思いで結婚し、それが愛にかわるかもしれない。「安心が、離れがたいという思いが、恋ならいいのに。でも違う。そういうんじゃない」2016/04/10

野のこ

13
「愛情ってなんだろう」と投げかける。忘れられない男性がいる希之果。自分の赤ちゃんに懐いてくれない未知子。未知子の父の羽や花が閉じ込められたガラス作品が彼女たちの内面をうつしてるようでした。未来は見えず、過去の思い出を胸に秘める。ラストは淡い光があたり輝くガラスの石のようにほんのりと希望が見えてほっとしました。2016/11/06

わか☆

8
薄かったので図書館で何となく借りた本。すごい事はそこまで起きないけどずっと読んでいられる本だった。主人公の希之果の温度の低い語り口が淡々していて好みだった。希之果みたいに人を好きになる気持ちがピンとこない派の人、結構いると思う。情熱的な人ほど冷めるのも速かったりするし。目の前で寝ている幼馴染に衝動的にキスをしてしまう場面が印象的だった。映画を観てるような気持ちになった。2022/01/17

7
熱量がずっと低いのが好み。面白かったです。「人を愛する気持ちがわからない」が、ともすれば重苦しくなりそうで、目を逸らさず向き合ってるのに、どこまでもさらさらと流ていくのが不思議でした。愛することを諦めるのではなく、「いつかきっと」と思ってるところがしみじみよかった。未知子さんも強い。ぼんやりした人なのかなと思ったけれど、「愛されなくてもわたしは愛する」という激しい人で面白かった。母性なんてわからないけど、自己満足だっていいじゃないの。2024/11/07

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