内容説明
本当の今日は、いつも一日先にあるように思えてならない。『世界音痴』『にょっ記』の著者による最新エッセイ集。
目次
非エレガンスのドミノ倒し
七三からの脱出
髪型との戦い
男の証
素敵男子への第一歩
著者近影
映画と現実
もうひとつの時間
女たちが消える日
檸檬の記憶〔ほか〕
著者等紹介
穂村弘[ホムラヒロシ]
1962年5月21日北海道生まれ。歌人。上智大学文学部英文学科卒。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。研ぎ澄まされた言語感覚が注目され、短歌に留まることなく、さまざまな雑誌や新聞に創作、評論を寄稿、若い世代を中心に絶大な支持を受ける。「ほむらひろし」名義による絵本翻訳も多数。2008年に『短歌の友人』で第19回伊藤整文学賞を、『楽しい一日』で第44回短歌研究賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
masa@レビューお休み中
165
なんだろう…。ほむほむを読んでいると、この人はモテることの自覚があるのに、それでもわざと自分を陥れているのか?それとも、素でこの文章を書いているのか?いやいや、歌人なのだから、すべては言葉遊びの範疇で…。あぁ、神様、僕はもうなにを信じていいかわかりません!そんな教会で懺悔でもしたくなるような気持ちになってしまいます。ほむほむは、本物の変人であり、オタクであり、過剰な妄想人なのか。それとも、あくまでフィクションとしてのエッセイなのか。いくら読んでも、この人の奥は見えないんだよなぁ。2015/11/09
パフちゃん@かのん変更
74
「共感」と「驚異」について、「共感」は人間の生存本能の一種だという。そうかもしれない。それに対して「驚異」志向は生存に不利。「驚異」に触れようとする若者は死にやすい。冒険家、ギャンブラー、ロックミュージシャン、詩人も死にやすい。小説家の中でも「共感」寄りのエンターティンメント作家よりも「驚異」寄りの純文学作家の方が死にやすい。なるほど、太宰治や芥川龍之介も若くして亡くなっている。でも近年の若者は「ありのままの君でいいんだよ」「幸せは自分の心が決める」的な「共感」寄りにシフトしている。確かに。2015/12/21
どんぐり
57
穂村の文章が唸る。『本物の人生だけのリアルな醍醐味って、この汚くて変な現実のどこにどんなかたちで存在するんだろう。どうすればそれに触れて、味わうことができるのか。私にはわからない』『近年は小説などでも、「泣ける」本とか、「笑える本」とか、感情面での一種の実用書のような扱いになっている』『「感性」とはなんだかわからないけど良いもの。だから「感性のきらめき」と云っておけば、きらめきの内容についてはそれ以上考えなくてもいいのだ』『通勤電車のなかでおじさんたちはみんな同じ表情をしていた。穏やかに微笑んでいるひとな2014/08/17
美登利
44
再読かも?と思って借りましたけれど、今一つ思い出せなかったです。歌人としてご自分の短歌を載せていたり、若い時に読んだ本のことを書いていたり、ちょっと変な面白いおじさんのほむほむではない一冊。割と真面目に言葉について書いてあり、すごく笑える本ではなかったのが残念。2014/03/22
アーちゃん
41
図書館本。2005~2008年初出、2009年発刊。先に最新のほむほむエッセイを読んだからか、妙に若々しく感じる40代のほむらさん。カッコ良さにこだわり、サイン会に不安になってしまうかと思うと、さすが歌人、微妙な言葉にひっかかり迷宮にハマってしまう事しばしば。しかし「ゴムあたまポンたろう」は凄いなぁ。長新太さんだから絵本だと思いますが。「素敵な素適な穂村弘」いいと思います(笑)2017/06/29