出版社内容情報
あさのあつこ初のフォトエッセー! 中国山地の山間部に暮らす著者が、故郷の名もなき風景を見つめて書き綴った12の物語。写真は最愛のパートナーが撮影! 日本の原風景が、ここにある。
あさの あつこ[アサノ アツコ]
著・文・その他
浅野 征大[アサノ マサヒロ]
写真
内容説明
岡山に暮らし、夫妻で見つめた、心に染み入る四季折々の日本の原風景。あさのあつこ初のフォトエッセー。
著者等紹介
あさのあつこ[アサノアツコ]
1954年、岡山県美作市生まれ。青山学院大学卒業。『バッテリー』で第35回野間児童文芸賞受賞。『バッテリー』全6巻で第54回小学館児童出版文化賞受賞。岡山県在住
浅野征大[アサノマサヒロ]
1950年、岡山県美作市生まれ。2001年から写真を撮り始める。現在は本業の歯科医師のかたわら、全国各地を訪ね歩き、日本の自然風景を撮り続けている。ワイ・ワンフォトアカデミー生徒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Smileえっちゃん
45
綺麗な桜、風景に誘われ手にしました。あさのあつこさんのフォトエッセー集。四季の移り変わりを、あさのあつこさんの文に浅野征大さんの素敵な写真・・・パートナーはご主人だったのですね。お二人が生まれ育った岡山の小さな山間の町。美しい自然の風景に見入ってしまいます。ごく自然な場所、普通の場所、どの場所にもささやかな物語があるんですね。年を重ねて気が付く大切な場所、私にもあるんです。2015/10/27
てんちゃん
23
添えられた文章がこんなに荘厳な写真集ってあったでしょうか?郷土を想う心と敬虔さ、人の営みへの温かな眼差しに満ちています。著者の生まれ故郷をプロではない旦那様が撮られた数々の写真。派手さはないけれど、しっかりとした価値を感じられる写真集です。2021/05/31
じじょ
6
四季折々の写真と懐かしさいっぱいの文章が、とっても美しい。心にしっとりと染み込むようだ。2017/08/17
読書国の仮住まい
4
著者が生まれ育った岡山県東北部を中心に、夫が撮った写真。 そこに添えた一年のささやかだが強靭な物語集。 一月は棚田、静かに誘いかけて来る。 二月は紅と雪白の閾、美しい節。 三月は梅、雪解けの雫を四方に散らす。 四月は桜、再生と孤独を綯交ぜる。 五月は騒がしさ、生の息吹に満ちる。 六月は山開き、静寂に包まれる。 七月は向日葵、太陽に万歳。 八月は水、その内に死を潜む。 九月は稲刈り、匂い立つ秋の風光。 十月は祭り、神はここにおわす。 十一月は紅の葉、滅びの道行きを誓い合う。 十二月は光、煌めき輝き照り輝く。2022/03/22
早桜
3
あさのさん独特の読みやすいリズムで進んでいく。だがしかし、私の目は常に旦那さんの撮った写真を追っていた。歯科医とは思えないほどだ。被写体のセンスもいいし、たいていの写真に空が写っているのがいちばんうれしい。美作ってのどかで素敵だ。けっこう前に読んだのだが、久しぶりにふいに思い出した。夢で歴代の本が思い浮かんでくるって何事なのだろう。