三悪人

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  • サイズ B6判/ページ数 213p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062152006
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

水野様が老中にでもおなりになれば、俺達の出世は思いのまま―。目黒・祐天寺の火事で焼死した若い僧は、遠山金四郎のなじみの遊女・夕顔の弟だった。姉弟は、水野忠邦の政敵の落とし胤。忠邦の弱みを握りたい鳥居耀蔵は、火事の裏に何かあると勘づいて、金四郎に働きかける。騙されたら、騙し返せ。駆け引きこそが生き甲斐だ。

著者等紹介

田牧大和[タマキヤマト]
1966年、東京都生まれ。明星大学人文学部英語英文学科卒。市場調査会社に勤務の傍ら、インターネット上で時代小説を発表。2007年「色には出でじ 風に牽牛」(『花合せ』講談社刊)で第2回小説現代長編新人賞を受賞し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤枝梅安

55
目黒・祐天寺の火災で盲目の修行僧が煙にまかれ死亡する。建物からは若い娘の死体が発見される。金四郎は吉原の花魁・夕顔を足抜けさせるために画策。水野忠邦、遠山景元、鳥居耀蔵のほか、水野の傍にいる小山田と料理人の長次も大切な役回り。感情を顔に出さない水野、豪胆な遠山の知恵比べに「妖怪」と呼ばれた鳥居が振り回されているのが面白い。3人の性格・役割を上手く描いて飽きさせずに最後まで読ませる。178ページに誤植:「関心を通り越して呆れてしまう。」は「感心」のはず。2011/01/22

藤月はな(灯れ松明の火)

52
読友さんの感想から興味を持ち、読んでみました。妲己、玉藻前となった九尾の狐が男と化したかと思える妖艶な美貌と残酷さを持ち合わせた水野忠邦、人情を理解するが相手がどのような状況下で動くかを冷静に計算して裏を掻く美丈夫の狸、遠山金四郎、実直で嗅覚に反応した獲物には執念深い狛犬の鳥居耀三、江戸の天保の改革期に活躍した御三方の騙し合い。耀三の女に優しいけど水野に対して「わざわざ、苛められようとするMなの?」と思える性格が可愛らしいわ。そして美味しいものに目がない水野と「水野様、命」な縫殿助の主従関係にムフフ(笑)2013/08/10

ゆみねこ

49
田牧さん、初読み。面白かった!!遠山金四郎・鳥居耀蔵・水野忠邦の息詰まる騙し合い。天保の改革前の、若き日の三人を描いていて人物像も極めて分かりやすく良かった。田牧さんの作品を追いかけてみます。2013/10/08

天の川

36
祐天寺の火災で出た若い女と盲目の若い僧の死体。どちらも権力闘争の隠された犠牲者。遠山金四郎・鳥居耀蔵・水野忠邦の丁々発止の知恵比べが小気味よかったです。三人ともまだ若く、権力への道半ば。この時は遠山と鳥居が組んでいるのですね。鳥居耀蔵が少し卑屈で、けれど結構純粋で、後の妖怪鳥居耀蔵のイメージとは違って可愛げがありました。水野忠邦、悪いヤツだなぁ。眉目秀麗で冷徹で。今回、策に溺れてしまいましたが…2015/02/06

むつぞー

26
それぞれの思惑で行なわれる遊女の足抜け、その騙し合いの先は?と、読んでいてとても面白かったです。 そもそも私は頭脳戦が大好きですしね。 金四郎はかっこ良かったし、美味しい物好きの忠邦の悪人ぶりもいい。ただ2人に挟まれて耀蔵の活躍が少ないかな? 彼らのその後も判ってるだけにそこへ向けて、そして耀蔵の活躍を望んで、ぜひ続編を書いていただきたいと思うばかりです。 田牧大和さんはホントに登場人物が魅力があるので、どの作品も続編書いて欲しい~と思うのだけど、その中でも一番続編を書いて欲しい作品となりました。2011/05/29

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