内容説明
飛び込み自殺をはかった女を助けようとして気絶した。病院で目覚めたとき、俺は二人になっていた。性格も思考もまったく同じの俺と「俺」。助けた女と再会してから、俺たちは少しずつズレはじめ、「俺」は人を殺して姿を消した―。俺は「俺」を捜す。そして俺も追われはじめる。分かれた俺たちがサスペンスを呼び込む。
著者等紹介
安田賢司[ヤスダサトシ]
1983年、新潟県生まれ。愛知県立大学に在学中に執筆活動に入る。2005年、『トゥデイ―すべてが壊れる午前零時』で第25回新風舎出版賞フィクション部門最優秀賞を受賞して本格デビューを果たす。多世界理論や量子力学を駆使して構築した驚くべき世界観で注目を集めた、新進気鋭作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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冴子
19
別の本の後ろに紹介されていて、面白い設定だなぁ、と読んでみた。初読み作家さん。まだ若い方なんですね。独りの人間が分裂したら、同じ好み、同じ思考になるだろうとは想像できるが、それが進化の一端だとは……なるほど。ちょっと怖いSF的な設定なので、もう少し深みがほしかったかな。映像化にピッタリだけど、ラストがあれでは困るかなぁ。2020/10/25
ren5000
7
精神が分裂する話はよく聞くけれど、肉体が分裂するのは初めて読んだ。とんでも設定だけど結構おもしろかった。最後の方はがちゃがちゃって進むけどそこまでの過程が好きだな。馬嶋はなぜにあんなにいい人なんだろう?(笑)2013/07/17
ジン
5
二重人格多重人格ものは多いけど、同じ精神、性格で体が2つになる二重人体という設定は面白い。2020/12/01
前田さん
4
体が分裂してしまうSFチックな小説、面白かった、最後のほうでどうなってしまうのかとドキドキした。馬嶋さんが格好いい(笑)2011/02/25
♪りんまま♪
3
二重人格じゃなくて、二重「人体」。まずタイトルにひかれました。ダメ人間の自分にケリをつけ、前に進もうとする和久。自分の過去を偽り、ひた隠しにする帆波。読み進めるうちにグイグイ引き込まれました~。体は二つに分裂してしまったけど、和久は二人で一人。2013/04/04