内容説明
“眼らない街”歌舞伎町。コマ劇場前で見つけた4歳の少女。あまりにもかわいらしい彼女は、父と、そしておとなたちと、路上生活を送っていた―。
著者等紹介
権徹[ゴンチョル]
フォトジャーナリスト。日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)会員。1967年、韓国生まれ。1994年に来日。1999年、『週刊金曜日』、『朝日新聞』にてデビュー。以来、東京都江東区枝川などに暮らす在日朝鮮人やハンセン病患者といったマイノリティの問題、米軍基地問題など、実社会に斬り込む作品を写真誌『DAYS JAPAN』などに発表し続けている。特に、中朝国境における取材では、北朝鮮からの脱北者が渡河する瞬間をスクープした。また、歌舞伎町のストリートスナップ撮影をライフワークとしており、暴力団抗争や司法当局による摘発の瞬間、変わりゆく風俗産業、若者たちのライフスタイルなど、街で起こるあらゆる事象をとらえ、発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かおりんご
35
写真集。これ、かなり切ない。親の都合があるのかもしれないけれど、4歳児が路上生活を送らなければならないのが、辛い。母親は出てこないで、父親と娘を中心に話が進んでいく。こころちゃんは、今ごろどうしているのだろうか。2015/08/21
yumiha
25
ストリートチルドレンが日本にもいるの?という疑問に答えてくれた本。4歳のこころちゃんは、立派な(?)路上生活者。虫歯だらけなのが痛々しくて、目をそむけたくなる。少し大きい少年と遊んでいる写真もあった。犬2匹を連れたおばあさんもいた。日本の現実だった。この本が出版されたのは10年前。こころちゃんは、現在14歳に成長している。児童養護施設で思春期のややこしい時期をどう過ごしているのだろう?2018/02/18
たまきら
12
読み友さんから。歌舞伎町でホームレスとして生きていた4歳の女の子の話です。オタマが真剣に一緒に見ていました。「むしばはやだね」が感想でしたが…。こういう特集、日本の写真家さんに切り取ってもらいたい気持ちと、海外の人だからもてる視点なのかな、という気持ちで揺れました。一読の価値がある、現在の日本の、人々の孤独さを感じられる一冊です。2015/09/01
しげ
12
歌舞伎町の路上で暮らす女の子、こころちゃんの姿を追った写真集。被写体が四歳のかわいらしい女の子ではなく、汚ならしい老人だったら、わたしは同情するどころか、軽蔑しながら「そうなったのは自己責任でしょ」と感じたかもしれないと気づき、愕然としました。「命の重さはみな同じ」という言葉も、口にするだけなら簡単なんですよね。2013/07/10
エムコ
8
あとがきより「豊かな国で、しかも何でも手に入る国の象徴みたいな歌舞伎町のど真ん中で、この少女が路上生活をしていた。これを伝える必要がないというなら、ジャーナリストなんて肩書きを偉そうに背負ってる必要はないでしょう」。 お金がないからどうしようもないという父親、そんなどうしようもない状況に憤りを感じるジャーナリスト、それを読んだ一読者のどうしようもないやるせない気持ち。いろんな「どうしようもない」をどうにかしないといけない。そろそろ。2009/11/22
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