出版社内容情報
世界に取り残された「きみとぼく」のための本格ミステリ――。西尾維新の最高峰との呼び声も高い傑作、待望のハードカバー化。
それにしてもどうして推理小説に登場するキャラクターはこうも容易(たやす)く人を殺してしまうのだろうか。まるで足し算か引き算でもしているように、この人は邪魔、こいつ嫌い、的に殺人を起こす。どころか、色んな策を弄して奇を衒い、まるで殺人を楽しんでいるかのような有様だ。お前らは革命者か。
内容説明
世界に取り残された「きみとぼく」のための本格ミステリ―。西尾維新の最高峰との呼び声も高い傑作、待望のハードカバー化。
著者等紹介
西尾維新[ニシオイシン]
1981年生まれ。2002年、『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』(講談社ノベルス)にて第二十三回メフィスト賞を受賞しデビューする。デビュー作に始まる「戯言シリーズ」は名実ともにゼロ年代を代表する傑作シリーズとなり、一躍著者を人気作家に押し上げた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
94
タイトルに偽りなし、ですね。皆壊れている。誰も彼もまともな人なんて一人もいない。でも、世界はきっと壊れた人たちだらけで構成されているんだなと思わされました。全ての感情には理由などなく、歪みながら、壊れながら時を刻み続けていくのでしょう。2017/08/15
ゼロ
59
青春ミステリ。主人公・櫃内 様刻は、妹が大好きなシスコンで、あだ名は「破片拾い(ピースメイカー)」。最善の選択を取り続けるので何もするかわからない人。探偵役を務めた病院坂 黒猫は、学校の保健室に通う成績優秀で、天才少女。個性的なキャラクターが多く登場し、ミステリらしく探偵もしてる。キャラはラノベらしいが、本質は世界について。様刻は、全ての破片を拾うため、幸せになれない。嘘をつき過ぎてるから、辛くなる。前提が間違っているのであれば、解答へと辿り着けるわけがない。それでも平和を維持するために戯言を使うのだろう2018/01/07
神太郎
12
ミステリー小説なのに、ミステリーの専門用語を説明しながらメタ発言もする一風変わったミステリー小説。圧巻なのは最後に探偵役を引き受けた病院坂黒猫の30Pに及ぶ一人語りである。一人語りのなかあーだこーだ話しながら推理を展開していく。見所である。推理ができないからといって自殺しそうになったのを主人公に助けられ、感謝を述べつつ真犯人を推理していくそのスタイル嫌いじゃない!2012/08/20
演習家康くん
10
こちらが「完全版」になるのかな。再読というわけじゃないけれど、いったいどこが増えたのかよくわかりませんでした。近親相姦の櫃内と売春の黒猫。この2人だからこそ結びつかないといけない「純」な関係。やっぱりこの世界のなんと壊れて平穏なことよ。櫃内くんは黒猫さんがいる限り、黒猫さんは櫃内くんがいる限り、どんなに歪んでいても生きていかなければいけない。だってお互いがお互いを保管する破片なのだから。2013/04/22
灰桜@ラノベを愛でる会会長
9
読了。「僕の妹と彼女が修羅場過ぎる」だったwww本格ミステリーていう謳い文句だったけど7対3くらいで恋愛小説に思えてしまいました。ミステリー小説についての豆知識はものすごく散りばめられていたので勉強になりました。2013/07/27