出版社内容情報
革命の果てに、北京、落城す。
あまりに幼き最後の皇帝。西太后の遺志は全うされるのか。
混沌の末に見える希望の光。激動の中国歴史ロマン、白熱!
「革命だと? そんなものァ、俺様の知ったこっちゃねえ」
相次ぐ革命勢力の蜂起に、一度は追放した袁世凱を呼び戻す皇族。だが俗物、袁世凱には大いなる野望があった。満洲では張作霖が、まったく独自の勢力を形成していき――。
龍玉を握る張作霖は乱世を突き進み、新しい時代が、強き者の手で拓かれる。
第42回吉川英治文学賞受賞
浅田 次郎[アサダ ジロウ]
著・文・その他
内容説明
相次ぐ革命勢力の蜂起に、一度は追放した袁世凱を呼び戻す皇族。だが俗物、袁世凱には大いなる野望があった。満洲では張作霖が、まったく独自の勢力を形成していき―。龍玉を握る張作霖は乱世を突き進み、新しい時代が、強き者の手で拓かれる。
著者等紹介
浅田次郎[アサダジロウ]
1951年東京都生まれ。95年『地下鉄に乗って』で第十六回吉川英治文学新人賞を受賞。97年『鉄道員』で第百十七回直木賞、2000年『壬生義士伝』で第十三回柴田錬三郎賞、2006年『お腹召しませ』で第一回中央公論文芸賞および第十回司馬遼太郎賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
51
西太后亡き後、相次ぐ革命。乱世を駆け抜け、新しい時代が強き者によって作られていくのですね。西太后の遺志はどうなるのでしょう。2022/04/10
baba
33
いよいよ話も山場、西太后崩御、清国の行く末は混沌として、歴史上の人物として知っている袁世凱や孫文が何を考えているのか、菊人はどこまで袁世凱を信じているのか。明国崩壊や女真族ハーン一族の活躍が入り乱れ時代が前後して浅田節満載、張作霖はどうなっていくのか次が楽しみ。2017/02/02
はま
26
ハーさん本、西太后なき清が!遂に!なシリーズ第三弾。どうしたって袁世凱がメインに座ると気持ち悪い(笑)張作霖や春児、春雷、文秀らの見せ場が少ない中で、徐世昌(シュシイチャン)に趙爾巽(チャオルシュン)らの脇役達がキラリ。次巻がラスト。皆に見せ場の多い事を願います!楽しみ!2014/05/29
akira
23
中原の虹第3段。 時代が動く第三巻。権力や地位ではなく、才や知識でもない。人間としての器は、こうも人間の命運を決めてしまうのか。 幼き宣統帝を助け、春児の奮闘は続く。無能なる王朝の人間たちの中で、一介の貧民であった彼が、ここまで重要な役に。人の可能性とは、そして天命とは、身なりやその時の状況では分からない。滅ぶ王朝の中、優しき大総管太監の命運が気になって仕方がない。 張作霖という龍が得た翼、王永江。希代の天才を幕下に加え、時代はさらに彼を求める。 「君たちが科挙で拾いそこなった人物だ」2014/06/22
藤枝梅安
16
光緒帝と西太后の崩御で清朝は新しい局面を迎える。一旦は放逐された袁世凱が呼び戻され、清朝の幕引き役となる。この巻では辛亥革命の進展とそれを無視するかのように満州を守ろうとする張作霖の動きが対比的に語られている。キーワードは「天命」、寿命ではなく、天から与えられた使命。誰が「中原」を支配する天命を帯びているのか、と言う点について歴史をなぞっている感が強く、第4巻への序奏、という印象。2010/04/01