われら猫の子

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  • サイズ B6判/ページ数 210p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062136952
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

濃密な空気感と色彩によって語られるイメージ、読む者を魅惑する幻想譚から、日常に潜む闇を見つめた作品まで、変幻自在であり続け、一作ごとに深化する星野文学。デビューから十年のすべてを集約した、はじめての短編小説集。

著者等紹介

星野智幸[ホシノトモユキ]
1965年、アメリカ・ロサンゼルス市生まれ。2歳半で日本に帰国。1988年、早稲田大学卒業。新聞社を退社後、メキシコに留学する。1997年『最後の吐息』で第34回文藝賞を受賞しデビュー。2000年『目覚めよと人魚は歌う』で第13回三島由紀夫賞を、2003年『ファンタジスタ』で第25回野真文芸新人賞を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hirune

43
表現とかが小難しいところもあって、よく理解できてるかわからないので 私の感じたままの感想ですが、現代社会の寂しさとか閉塞感とか生きにくさが込められた大人の寓話的な短編集でした。そして随分エロティックだった。「われら猫の子」「砂の老人」「ててなし子クラブ」「エア」が好きでした。しかし いくら不老不死でも、砂を吐く永遠の老人にはなりたくないなぁ?2019/01/25

メルコ

8
11篇の短編を収録。「紙女」紙を異様に愛する女に出会った作家ホシノは、結婚して全身に文章を書く"芳一プレイ"を行うが…。「チノ」中米の小国のゲリラに加わろうとする男は、奥地の村で協力隊くずれの女に出会い…。「われら猫の子」1年間海外と日本の遠距離恋愛をしたカップルが一緒に住むことになり…。「砂の老人」知り合ったボルヘス3世に砂でできた本を読みたいと言う。星野智幸の作品では男女や生死といった境を通り越す。そして常識に囚われない奇妙な世界を作り上げていく。2023/04/21

ミュポトワ@猫mode

4
なんでしょう、青空の中なのに霞がかかっているような、そんな印象の話でした。短編集なので、読むのは大変ではなかったのですが、何とも言えない靄のかかったような感じでした。この作家さんの本を読むのは初めてだったので、ちょっと「う~ん…」となってしまいました… なお、電車の中で読んでいたら、隣に座っていた小さい子供が、表紙の絵が異常に気になったらしく、覗き込むように見られたのが印象に残ってますwww2018/04/21

おこめ

4
デビューから10年間を集約した短編小説集。個々の物語世界や主題が比較的明確で、サクサク読めた。個人的には「紙女」、あと「ててなし子クラブ」がすきかな。短編であり、著者自身の描きたいことが明確に先行している印象の所為か、やや説明しすぎているように感じることも。(意図的でまとまっているということでもあるが。)登場人物の思索として物語内におさまればむしろ好きなタイプなのだが、「著者の主張や問題意識を登場人物をつかい語らせている」ように物語の外を感じすぎてしまうと、あまり好みでなくなるのかも。長編作品も読みたい2010/12/10

mick

3
題名と表紙の装幀に魅かれたが、それとは関係なかった。厚いわけでもなく短編なのに長編を読んだような重さで、作品の底流に共通したものがある。いろいろ考えているうちに、いつの間にか置き去りにされている。自分が感じていたある思いが小説になるとこう表現されるのかと感じられるものがあった。2017/06/12

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