内容説明
米国はなぜ戦闘機開発を許さないのか!?戦前は零戦、紫電改、戦後は防衛庁でT1、T2など数々の名機を開発してきた第一人者が、戦闘機開発の醍醐味と、米国との確執・自立的国防への道筋を語る「遺言の書」。
目次
第1章 九十歳の現役―防衛庁技術系官士の精神的支柱
第2章 東京帝大航空学科「鬼の十二年組」
第3章 零戦、銀河、紫電改を開発した海軍時代
第4章 航空自衛隊の創設
第5章 自主開発路線の推進
第6章 グラマンかロッキードか―主力戦闘機F104の導入
第7章 内局VS.制服組―T1練習機、C1輸送機の開発
第8章 日本航空機産業の未来像
第9章 FSXの敗北とその検証
第10章 アメリカからの自立は可能か
著者等紹介
前間孝則[マエマタカノリ]
1946年、佐賀県に生まれる。石川島播磨重工業の航空宇宙事業本部技術開発事業部でジェットエンジンの設計に20年間従事する。1988年に同社を退社。日本の近現代の産業技術史の執筆に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鐵太郎
3
高山捷一。大正4年1月2日、名古屋生まれ。東京帝国大学工学部航空学科、昭和12年3月卒業。『花の12年組』あるいは『鬼の12年組』と呼ばれた同期は9人。海軍技術士官として戦前は12試艦戦(のちの零戦)から彗星艦爆までの審査を行い、戦後はT1練習機、T2高等練習機、C1輸送機、F1支援戦闘機などの開発を推進し、F104J戦闘機の導入にかかわり、常に第一線の航空国防技術にかかわると共に友に、日本の国防に鋭い目を配った人。この人の半生を、前間さんらしいタッチで描いたもの。2008/12/30
Uzundk
3
戦闘機単体では無く、そのあり方も含めて語る。 戦闘機とは単に空を飛ぶ為の物ではなく、国を守る事についてどんな戦略を持ちえるのかに直結している。日本は国防、ひいては国のあり方について考えずに他国やマスコミ、国民の顔色を伺った調達計画について批判している。すごくまっとうな話で、これらを議論せずに新しい物に飛びつくようなやり方で軍備を進める事は、税金の無駄遣いどころか国そのものも危うくする。軍事という避けては通れない課題について、もっと真剣につきあわなければならないと感じる2014/07/07
しそ
1
日本独自の戦闘機作ってほしいです。2010/02/01
いが栗坊主
0
「永遠の0」と交互に読んでみました。高山さんのお話は勉強になりました。2013/09/07
Shibata Yoshio
0
諸先輩方の努力と苦労で零戦などが産まれたし戦争は絶対にダメだけれど、日本の飛行機産業の視点からは現状で良いのか考えさせられる一冊。2019/05/18