内容説明
人はどこから来てどこへ行くのか?生物学の成果を知らずして未来は語れない。遺伝から免疫まで、最新の生物学の流れがわかり、地球と生きものが大好きになる本。
目次
第1部 「生きもの」とは何だ(いろいろな生物とその誕生;ミトコンドリアと生命の進化;すべての物質は葉緑体が作った)
第2部 「生きている」とは何だ(生殖することが生きること;遺伝子の本体DNAとゲノム;遺伝子工学から生命革命へ)
第3部 「立派でない生きもの」とは何だ(バクテリア、ウイルス、プリオン)
第4部 「生きている反応」とは何だ(免疫系の見事な仕組み;生まれてから死ぬまで「免疫」)
著者等紹介
藤田紘一郎[フジタコウイチロウ]
1939年、中国・旧満州に生まれる。東京医科歯科大学医学部を卒業し、東京大学大学院医学系研究科博士課程を修了。医学博士。東京医科歯科大学名誉教授。人間総合科学大学人間科学部教授。専門は寄生虫学と熱帯医学。マラリア、フィラリア、成人T細胞白血病やエイズ関連の免疫研究、人畜共通感染症の研究治療を続けている。その一方で生態系からみた現代の人間社会のゆがみを鋭くとらえ、ユーモアのある名文でつづられた警告の書を出版し幅広く支持されている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たくのみ
9
わかりやすい、実践的な、奥深い生物学への畏敬にあふれている本だった。サナダムシがお友達、ちょっとトンデモ系?な人かと思っていたら、やっぱり大学の先生。生物とは何か、免疫とは何か、イラストと解説で一生懸命教えてくれている。しかし、読む側の基礎理解が追い付かないので、「おさらい」のはずが、部分的に理解できない箇所が多いのだ。うーむ。自己嫌悪に陥りそう。2014/06/03
gondan
6
★★★☆☆ 「高校の生物を復習する本」と同じコンセプトで書かれた高校の生物レベルの本。両書ともイラストが豊富で読みやすいのが特徴だが、前書が予備校の先生らしく「的確で簡潔」であるのに対し、本書は医学部の寄生虫博士らしく「深くて学術的」だ。ストーリー的な語り口は夢のある感じで好感が持てる。専門である免疫に関しては1章を費やしていて読みごたえがありました。2012/02/13
たぬ
2
生物Ⅱを高校で履修しなかったが、生物系の学科に進学した為、周りに追いつきたいと思い、読みました。結構細かく書いてあるので、暗記しようとせず、分かる範囲だけ吸収出来ればよいかなと思います。文や図が分かりやすかったです。2013/07/14
まんぼう
1
生き物とはなにか?生きているとはどういうことか?寄生虫博士である藤田先生らしく、目に見えず普段意識することがない小さな世界を主役にした生命の話。細胞の仕組みや遺伝子の仕組み、細菌やウイルスとの関係などのミクロな視点から、地球全体の命を支える無機物の循環というマクロな視点までの壮大な仕組みは、小さいのに大きすぎてくらくらする。2024/05/23
とんかつラバー
1
積んでたのをやっと読んだ。途中難しい所もあったけど、最後は免疫の話で締めくくられていてこの先生らしい。パラサイトイブでミトコンドリアの名前をなんとなく覚えていたけど、生物進化の中で人間の中に存在しているかもこの本を読んで分かった。2020/03/14