内容説明
現代社会に女性として存在することの新しい難しさ。ひとりぼっち―この世界のたった一つの哀しみを、深く潔い語りの力で描く、魅力的な才能の登場!第四十七回群像新人文学賞受賞作。
著者等紹介
十文字実香[ジュウモンジミカ]
1974年千葉県生まれ。2004年「狐寝入夢虜」で第四十七回群像新人文学賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Maki Uechi
7
★★★★☆ 何となく手にとって何となく読み始めたら…おぉう!何だこの作家!ノーマークだっただけに衝撃もすごかった。ただ残念なのは作品がこれしかない。初めて町田康を読んだ時のような運命の出会いだと思ったのにな。もっと読みたい~~~~~!!!!!2016/01/25
とも
4
図書館本 勝手に妖狐ぽい話かと思い借りてきた。なんじゃこりゃな世界だった。2017/06/26
押さない
3
9/10 本一冊しか刊行されておらずゆえに認知度が低く、掘り出し市のように時々出会う本がある。まさにこれがそれだ。 『狐寝入夢虜』ぐうたらニート鳥子の高潔なる怠惰ぶりを、わざと落語のように語って聞かせる。現代劇を古典式に表現。鳥子と虜もかけている。終わり方も幻想世界の如く寓話的だ。 『水酔い日記』 プール人は泳いでいるからこそ格好いいのであって、ひとたび陸にあがり話してみると全く別ものである。水中で排尿してみようかなと思う程度には失恋の痛手はすぐ回復できたようでなにはもとあれ安心である。2023/06/28
尾白
3
後半の『水酔日記』で古本屋でなし崩し的にバイトをしている鳥子より、食うや食わずで汲々としながらも自由に生きている『狐寝入夢虜』の鳥子の方が魅力的。2015/02/17
ミカド
1
怠惰を誇りにする鳥子のちょっと変わった1日を文語調の文体で書いた小説。町田康が好きなひとは好きになるかも。ところどころクスッとはしますが、まだ未完成な印象を受けました。2011/10/25