内容説明
たった一人の妹を守るために、人を殺した男。心を焦がす、怒りと憎しみを、「土の冷たさ」だけが鎮めた。時間が止まった刑務所の十年。自由。希望。命の実感。そのすべてを奪われ、赦されることもない男がたどる、壮絶な人生。
著者等紹介
乃南アサ[ノナミアサ]
1960年東京生まれ。’88年、『幸福な朝食』で日本推理サスペンス大賞優秀賞を受賞しデビュー。’96年、『凍える牙』で第115回直木賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
taiko
54
戦後の混乱期、満州から引き上げてきた家族の中で他の姉弟と生き別れた兄妹次郎と君子。 母の葬儀のためにした借金のかたに、君子を売ると言った男を撲殺してしまった次郎。 二人の壮絶で数奇な運命。 著者の作品はとにかく読みやすく、安心して読めます。 上巻は戦後から昭和50年代まで。 良く知る時代もあって、とても興味深かったです。 陶芸家として身を立てた次郎。 自分の力だけで、女優として生きてきた君子。 その後の二人がどういう人生を歩んで行くのか、下巻に進みます。 2019/07/13
ミーコ
51
もう一気読みでした。短気でキレやすい次郎。人を殺め10年の刑期を経て ようやく普通の人の生活を取り戻し、順風満帆に行くのかと思いきや‥‥ 大人になり、黙々と努力して漸く手に入れた生活を、自ら壊してしまうのか。。。 スイッチが入ってしまうと抑えられなくなる感情。ヒヤヒヤしてしまう。下巻で、どう展開して行くのかー。 どうか壊さないで!と祈りたくなります。2014/07/21
そのぼん
19
人を殺めて服役することになった兄と、その妹の目線からストーリーが進んでいきました。 二人の人生を追っていく形の作品ですが、なかなか引き込まれるストーリー展開でした。 下巻でどんな結末が待っているのか、気になります。2012/05/22
ゆりまなっとう
18
久々の乃南アサ、面白い。戦時中の話から始まり、やるせない怒り不満。重すぎる兄弟愛。それに比べて親子供を捨ててきた八重子には共感出来ない。母より女なんだなぁ。2015/07/19
星落秋風五丈原
17
時間が止まった刑務所の10年。全てを奪われ、赦されることのない男がたどる壮絶な人生。『徳島新聞』等連載を改稿して単行本化。2004/09/28
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