内容説明
安政の大地震に見舞われた江戸の町で、まどかは思いがけない人に出会った。NHK金曜時代劇「人情とどけます」で大人気のむすめ飛脚がまた走る。
著者等紹介
出久根達郎[デクネタツロウ]
1944年、茨城県生まれ。中学卒業後、東京・月島の古書店に勤め、’73年から杉並区で古書店を営む(現在は目録販売のみ)。’92年『本のお口よごしですが』で講談社エッセイ賞、’93年『佃島ふたり書房』で直木賞を受賞する。現在、朝日新聞夕刊で「かわうその祭り」を連載中
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感想・レビュー
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KAZOO
10
シリーズ2作目です。ちょうどいい長さの短編集です。著者がほかでも書いている安政の大地震なども挿入されています。挿絵も逢坂剛さんのお父さんの中さんが書かれていて情緒ある感じが増幅されています。ほろりとさせてくれる話が多いですね。2014/02/11
こおり
8
おんな飛脚人(2) 出久根さんが書く日常のあれこれみたいなお話しが大好きだ。全体としてピリリとするものは無いし、興味深いエピソードが広がりを見せずにスルーされてしまうことも多いけれど、だがそれがいい。それがいいのだ!何となくぼんやりしていてそれでいいのだ。不思議は不思議のままでいいじゃないか。生臭いようなにおいのする予言売りの男の正体が何なのか、想像する楽しさの余韻にひたれるというものだ。願わくば、もっと長くシリーズを続けて欲しい 続き書いて~2015/05/04
ソババッケ
2
シリーズ2作目。日本橋瀬戸物町の飛脚問屋の十六屋の女飛脚人まどかの物語。まどかは18歳、捨て子であったのを養父の音蔵が育ててくれたのだが、母を探しに江戸へ出てきて・・・。安政二年、江戸を大地震が襲った。父・音蔵は常陸の国、筑波郡丹野村で竹細工でたつきを立てていたのだが娘を心配して江戸へ出てきた。御政道批判の書「確龍堂先生言行録」をめぐって、音蔵の過去の姿が明らかになっていく。深川には蛤町が14ケ所、黒江町は12ケ所、平野町も4ケ所もあるという。飛脚問屋らしい記述が興味深い。★3.22012/07/31
アジャ
1
たまに時代物と、図書館でさがしていたら女性の飛脚人?に引かれ借りた。最初の主人公まどかの登場に違和感があるなと思ったら、シリーズものの2作品だった。それでも短い出来事を繋いでいるのでそれなりに面白い。安政の大地震と火災みまつわる内容では、ちょうど能登半島地震の混乱と助け合いの状況は、昔も今も変わらない。この本で、江戸時代の生活風景に、スマホ片手に読み進めなが楽しんだ。2024/01/13
Mika Ando
1
★★★☆☆以外や以外、面白かった。十六屋の面子、まどかと清太郎のその後も気になる。シリーズものなら他のも読みたい。2012/10/04