内容説明
“バンビの剥製”って何?かわいいけれど、なんだかこわい!ゆらゆらと続く「日常」という名のループと異物感。そこから逃げ出すには、どうしたらいい??ちょっと不思議!青春小説の新たな到達点。
著者等紹介
鈴木清剛[スズキセイゴウ]
1970年、神奈川県生まれ。文化服装学院卒業。1997年「ラジオ デイズ」で第34回文芸賞を受賞。1998年「ロックンロールミシン」で第12回三島由紀夫賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
悠遠
8
村田沙耶香さんのエッセイから。文章の運び、独特の感覚がほんのりと村田沙耶香さんの基になってるのかなという気がした。主人公の周りは動き変わる一方、変わらない主人公はどこにも着地することなく停滞し世界に取り残されているように感じる。バンビの剥製は姉との繋がり?それともバンビの剥製=変化を望まない主人公?やや解釈が難しい小説。2019/07/10
もりの
3
村田沙耶香さんのエッセイにて紹介されていた。恋愛とは違うけど、離れがたい兄弟の気持ち、わかるなぁ。私も弟大好きだから、もの寂しい感じが共感できた。良かった文章『ひとは何かに囚われることで、自分の中でバランスをとってる』2023/11/07
yoko**
3
反目しあっているようで実は共感しあっている。何も考えてないようで実は考えている。人が動くことで自分も動き出す。見えない力を感じました。2014/11/11
xtc1961ymo
2
シスコンの主人公と父親不在の家庭を背景に、姉と弟との不思議な同居生活と、付き合っている彼女との確執を何気なく綴った、自立と共生のお話、大きく物語が動く直前で筆を置いているからか、読書メーターでの他の人のレビューでは貶されてますが、自分はそんなに嫌いではないです。ハルコは弟を嫌いではないんだよな、唯一の心許せる異性だもの、ぶっきらぼうにもみえるが気持ちよい沈黙です。しかしこの家族は本当に全員自由すぎて、世渡りでは是からも苦労するだろうが本人達にはその自覚皆無なんだろうね。2013/07/24
マキ
1
表現が少し嫌でした。なんとなく生きていながら、日々時間は経過して行くっていう当たり前のこと。読後はそれをポツリと思いました。姉の考え方や感じ方がつかめないのが面白かったです。2015/04/28