内容説明
タイHIV感染孤児たちの「母」が未来志向の家族を拓く。美しいもの、自由な生き方を選び続けた強烈な個性が、鮮やかに描かれている。残酷な立場におかれた子どもたちに対する、奉仕とは無縁の愛がある。
目次
第1章 『ふるさと』の心象風景
第2章 さよなら、おとうちゃま
第3章 “ダメ母”は恋多き女性
第4章 “バブリー六本木”恐怖症
第5章 『遠い太鼓』を探して
第6章 チェンマイ発、SOS!
第7章 “家族”になりたい
第8章 “子ども力”全開!
第9章 いのちと向き合う
第10章 子どもたち、復活!
第11章 生きるって素敵なこと
あとがき 出会いって素敵なこと
著者等紹介
佐保美恵子[サホミエコ]
1958年、大分市生まれ。学習院大学文学部卒。在学中フランス留学を経て、卒業後は編集プロダクションに勤務。独立後、80年代末から激動期の南アフリカを7年間取材し、デビュー作『マリーの選択』(文芸春秋刊)を著す。人物ルポを手がける一方、食・いのち・家族等の問題に取り組み、「アエラ」など週刊・月刊誌でも精力的に執筆を続けている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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YOCHAN
3
チェンマイ・バーンロムサイにて購入。一見破天荒な美和さんだけど、自分にも周りにも正直。飾らない生き方が素敵。バーンロムサイは大きな家族。子供たちのHIV,生と死、色々な問題、悲しみ苦しみ喜び楽しみ…実際にそこにいる人たちにしかわかり得ないことがたくさんあるんだろうな…。途中、電車で涙こらえながら読んだ。2014/02/10
sokakat
0
バーンロムサイ(HIV母子感染で親を亡くした、またはやむにやまれぬ事情で親や親戚と暮らせない孤児が生活する施設)の立ち上げと運営をされている名取美和さんを描いたノンフィクション作品。幼少期から現在までの人生、バーンロムサイと関わることになった経緯、バーンロムサイでの日々。人生どうなるか分からないとはよく言うけど、これほどまでにエネルギッシュに、使命感を持って、生きている方がいるだろうかという印象。かと思えば、か弱くて繊細で心配性な一面もあったりして、途端に親近感を覚えたりもする。強い。弱い。きっと人間はみ2016/07/19