出版社内容情報
死体のにおい、戦場の音……。
戦争の本質は、今も昔も変わらない。
「ミスター・ネルソン」女の子はまばたきもせず、わたしをまっすぐに見つめると、たずねました。
それは、わたしにとって運命的な質問でした。
「あなたは、人を殺しましたか?」
だれかにおなかをなぐられたような感じがしました。
わたしの体はこわばり、重くなり、教室の床にめりこんでいくような気がしました。――本文より
アレン・ネルソン[アレン ネルソン]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
70
ベトナム戦争の帰還兵が語る、戦争体験談。23歳でホームレスになったネルソンは戦争の後遺症で悪夢に悩まされていた。同級生だった教師のダイアンに誘われ学校で戦争について話をすることになったネルソン。戦争というのはたくさんの人がケガをしお金もかかる悲しいことだと、残虐な話は避けて語っていたが、最後の質問はストレートだった。「あなはが人を殺しましたか」悩んだネルソンだったが「イエス」と答え涙する。それを起点に、ネルソンは真実を告げることの大切さを悟る。▽子ども向けで読みやすい。▽再読。2003年刊2020/03/11
ケロリーヌ@ベルばら同盟
65
喧嘩に明け暮れ、常に空腹だったブルックリン育ちの少年は、1杯のコーヒーとドーナツに惹かれ、18歳で海兵隊に入隊した。過酷な訓練で、若い心身を無慈悲で暴力的なものへと作り変えて向かったのは、ベトナム。最前線で戦い、四つの勲章を授与され、四年間の兵役後除隊したアレン・ネルソンは、1970年、23歳でホームレスだった。廃墟ビルに住みつき、夜な夜な悪夢に魘される日々。ある再会により、小学生にベトナムでの経験を話すことになった彼に、投げかけられた真っ直ぐな質問が、過去と対峙し乗り越え、戦争の真実を語る勇気を与えた。2021/04/26
たまきら
36
2014年版。読むのはこれでもう何度目でしょうか…でも、娘が生まれてからは読んでいなかったので、この版は初めて手に取りました。アレン・ネルソン氏のことばはごまかしのないまっすぐな言葉です。どんなに辛いことも、嬉しかったことも、彼は淡々と描写し、だからこそ私たちを不安にさせますー軍隊の教育はこんな人をモンスターのようにしてしまえるのだ、と。ネルソンさんは人を殺しました。そして私は傍観者です。全ての人に読んでほしい、誰の子どもも殺す側にも殺される側にもなってほしくないから。ネルソンさん、本当にお疲れ様でした。2024/01/26
かおりんご
32
以前、読書メーターですすめられ、やっと読了。ベトナム帰還兵の話。戦争は、生きるか死ぬかの戦いで、殺さなければ殺される可能性がある。著者は、戦場に駆り出されることで、生死に対する感覚が麻痺していったんだろうなと感じた。自衛隊が駆けつけ警護の任務を与えられ、仮に誰かを守るために人の命を殺めたとしたら、もうこの話は対岸の火事だとは言えなくなると思う。戦場の話が生々しいので、中学生くらいからがおすすめ。2016/12/30
鈴
25
児童書かな。いい本を読んだ。ベトナム戦争でのアメリカ兵ネルソンさんの戦争体験談。自分の思いや体験を包み隠さず書いているので、すごくわかりやすくてリアル。2014/09/09
-
- 洋書
- FLASHBACK