内容説明
ベストセラー『墜落遺体』の著者が、自身も捜査に加わった大久保清事件を担当した捜査官に直接取材。8人の若い女性が殺害されたこの事件、捜査官はいかにして、稀代の殺人魔に口を割らせたか。
目次
序章 誰かがいま泣いている…
第1章 刑事部捜査第一課強行犯係
第2章 徹底抗戦がはじまる
第3章 一歩一歩、真相に近づく
第4章 対決
第5章 本心を衝く
第6章 「完落ち」へ
終章 事件をさらに掘りさげる
著者等紹介
飯塚訓[イイズカサトシ]
1937年、群馬県に生まれる。日本大学法学部を卒業。1960年、群馬県警察官として採用され、以後、警察本部課長、警察署長、警察学校長等を歴任。1971年、大久保清事件当時、松井田署の警部補として捜査にたずさわる。また、1972年、連合赤軍浅間山荘事件にも出動。さらに、1985年、高崎署刑事官在職時に、日航機墜落事故が発生、身元確認班長に。1996年、退官
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感想・レビュー
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鈴
24
自分が生まれる前の事件ではあるが、名前だけは知っていた「大久保清」。連続殺人犯、しかも強姦目的だったことすら初めて知った。驚いたのは、この時代でも女子高校生ってこんなに簡単に見知らぬ男性についていっちゃうものだったの?と。援交や出会い系など、今の時代だからこそ女子高生が見知らぬ男性に知り合うきっかけが溢れていて、若い娘が被害にあうことが増えたのだと思っていたので。大久保清の二転三転する嘘の自供で、遺体を早く出してあげられなかったことは、余計許せない仕打ちだと思う。2015/07/10
カタコッタ
14
先日読んだ本の参考文献に上がっていたので興味を持って読みました。著者はわが家の家族全員が読んだ『墜落遺体』の飯塚訓。私の幼少時には吉展ちゃん事件、中学に上がる頃大久保清事件が起き、見知らぬ人の誘いにのるなと親から厳しく言われ続けておりました。殆ど警察の取調室でのやり取りから大久保清を描かれています。ルパシカ(当時も今もこんな服を着る人はいない)、詩人、絵画教師、なりたい自分を演じて行われた残虐な強姦殺人魔。『ざんげの値打ちもない』を歌った大久保清を初めて知りました。元警察官の本、面白かった。2023/05/24
くまちゃん
3
最初、「警察関係の知り合いがいる人って多いのか?」「女性は初めて知り合った男性には警察関係がいると言って自分を守る嘘をつくのは一般的?」などと思っていましたが・・。なるほど、自分の殺人動機を正当化するための大久保の嘘だったのね(汗2013/10/06
雨猫
2
殺人には動機がある。多くの殺人犯の動機の99.9%は共感できないとしても、怨恨や金目当てなど0.1%は、そんなこともあるかもしれないな、と思ってしまう。だけどこの大久保清、1ミクロンも理解できない。まさに獣。殺された女性は本当に8人なのだろうか?殺されなくても強姦された女性はかなりの数になるはず。とっくに死刑執行されてるが、死刑の前にチョン切ってやりたかった。大久保にはそれが死刑より辛いことだったろうから。☆4つ2013/09/27
コギー
1
図書館本。著者の飯塚訓は群馬県警の元警察官。飯塚はもう半世紀以上も前の1971年、大久保清事件の管轄となった松井田警察署の警部補として捜査に携わった。大久保の取り調べの責任者であったので、大久保自身の受け答えの中での発言はもちろん、飯塚自らの捜査による大久保の生育歴等に関することも生々しく記されている。2024/07/11