内容説明
夜這い、水葬、シマビト気質。保多良ジマでは、性と魂がたおやかに交わっている。柔らかに、心の奥深く刻み込まれる物語。
著者等紹介
崎山多美[サキヤマタミ]
1954年沖縄県西表島に生まれる。琉球大学国文科卒業。89年「水上往還」が第十九回九州芸術祭文学賞、最優秀作。また、同作品で第一〇一回芥川賞候補に。90年「シマ篭る」が第一〇四回芥川賞候補に
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感想・レビュー
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Hiroki Nishizumi
2
琉球の文化風習は内地とはかなり違うが、人間というものは文化を超えて通じるものがあると思った。でもこの手の文学はある程度琉球文化に触れていないと馴染めないかも知れない。2023/01/15
くにお
1
私達とは少し違った死生観と時間の流れを持った「保多良ジマ」での幻想と自然と精神世界の入り混じったようなお話。この島では死者を焼いたり埋めたりせず、海に流して弔う。その魂はどこか上の世界へ成仏するとかではなく、海の中に漂うだけなのだそうな。昔読んだ同著者の別の作品でも、水とそこに溶けこむ人の魂というイメージが強烈に描かれていた気がする。なんだか不思議な物語。変な読後感。2012/02/02
ジジ
0
結局何の話かわからないんだけど、土俗的な恐ろしいようなおぞましいようなチカラがあってなんだか惹きこまれたわけです。コトバのチカラかなぁ。もう沖縄とかのコトバって方言じゃすまされない力強さがあるよなぁ。2012/06/30