内容説明
ランナーの道を断念して以来の全力疾走をした日、若い水道職人・達夫は、羽音とふしぎな声を聞く。奇妙な能力を持った蚊トンボ“白鬚”が頭に侵入してきたのだった。達夫はシラヒゲの力で、オヤジ狩りに遭っていたアパートの隣人・黒木を救う。黒木は、株取引で巨額の損失を暴力団に与え、血眼で行方を追われる身だった。彼らは、黒木の居場所を達夫に吐かせるため、恋人・真紀をターゲットにしたが、凶悪な気を放つ赤目の男の介入に、達夫は闇社会に真っ向から挑む道を選んだ。長編小説。
著者等紹介
藤原伊織[フジワライオリ]
昭和23年大阪府生まれ。東京大学文学部仏文科卒。昭和60年「ダックスフントのワープ」ですばる文学賞を受賞。平成7年「テロリストのパラソル」で江戸川乱歩賞を受賞、さらに翌年、同作品で直木賞も受賞、絶賛を浴びる
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GAKU
53
藤原さんとしては奇抜な設定の作品でした。主人公の達夫も若いのに、出来過ぎの感がある設定にも多少違和感が。とは言え蚊トンボ白髭のキャラクターや、瀬川、黒木、カイバラといった登場人物達のユニークさで、物語としては面白く楽しむ事が出来ました。2019/10/27
み
28
面白かったぁ♪白鬚付きながら巻き込まれ男子のお話し。白鬚と発声しないと会話てきないってのは不便よね、と白鬚が宿った感覚で読んでました^^;2015/09/23
bfish
13
600ページ弱の大作で読み終えるまでにかなり時間がかかった。いつもの藤原さん作品に共通する、こんな風に何もかも吹っ切れたらいいだろうなと思わせる主人公は魅力的なのだが、事件のきっかけになる黒木が饒舌過ぎる。経済の話も相当のページを割くが、そこまで必要だっただろうか。それにしても後味は悪いです。2015/03/30
ミム
7
設定は非科学的ですが、小説としては面白かったです。イオリンの小説の主人公は、自分と関係ないことに巻き込まれたのに、結局どっぷりと浸かり、自分を犠牲にしても自分の信念を曲げない、という意味で横関大に似ている気がします。2015/06/20
tnyak
4
設定は非現実的だが、読み応えのある力作だった。 2024/04/11
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