「ひきこもり」だった僕から

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062110723
  • NDC分類 367.6
  • Cコード C0095

内容説明

生きることの不安、家族・人間関係の摩擦、社会的孤立感…。誰の心の中にもあるどうしようもないジレンマ、人生へのおののきを赤裸々に語った感動の書。

目次

これまで(自分へ)(記憶に刻みこまれたこと;やっちゃいけないことをやったような;「か」「か」「か」「か」「か」…;「誰かさんと誰かさん」 ほか)
いま(いまから)(なぜああいう状況におちいったのか;親と子のジレンマ;「甘え」か「炭鉱のカナリア」か;裕福な家だけのこと? ほか)

著者等紹介

上山和樹[ウエヤマカズキ]
1968年、兵庫県に生まれる。中学で不登校、高校中退。大学に進学するも不登校・休学。父親の病死でなんとか卒業はするが就職せず、アルバイトに挫折するうちひきこもりに。2000年3月、三十一歳ではじめて自活。ひきこもりの親の会での発言をきっかけに、それまでひたすら隠しつづけていた自分の体験を生かした活動を考えるようになる。現在は、家庭教師・訪問活動・地域通貨の試みなどをしながら、ひきこもりの問題に共同的に取り組むためのあり方を模索している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Baron

5
再読。やはり内容が濃い。濃すぎる。 元ひきこもり当事者としては、胸を打つような生々しい記述が多い。 ひきこもりは、仕事に対して過剰なまでに「意味」を求める傾向があるが、それは人それぞれ色んな理由(トラウマ等)があり、本人の訴えを無視して追い詰めると事態は泥沼化する。しかし、本人も「意味」を追求しすぎることによって、それが仕事をしない「回避行動」になってしまうのには注意が必要だ。 物事の「意味」や、「意欲」「やりがい」などは、やっている間に湧いてくるものであり、やる前から湧いてくるものではない。2016/01/05

5
著者の体験に共感することはたくさんあったけれど、自分はもう通過したのだなあという思いのほうが大きかったです。いいことなのか悪いことなのかわからないけれど、自分はひとつ山を越えたんだなって思います。こういう本を読むと自分のいまの状態がわかるのでいいですね。2015/02/12

富士さん

5
卒論の時にはお世話になりました。ひきこもりブームが残した、読み継がれるべき最高傑作です。ひきこもりとは日常生活という政治での敗残者である、という定義。ひきこもりを抜け出すのに必要なのは、「性」「死」「金」との関係。ワタシなりに解釈すれば、これら他人と共有できないものを扱うことによって、個人であることを強いられる事。慧眼です。働くとは、貨幣を調達する事などという皮相な事ではなく、人と人との関わりの中に自分という個人をねじ込んでいく為の作業だと思います。資源へのアクセスはそれに比べれば二次的なものです。2014/10/14

Baron

5
さすがひきこもり当事者が書いた本だけあって、俗に言う「専門家」が展開するような理路整然としてはいるが、どこか他人事な分析とは違い、「魂の絶望」とでもいおうか……そういう怨念と気迫が感じられる。 もちろん、単なる評伝にとどまらず、著者自身の「ひきこもり」についての分析も非常に興味深いものになっている。 私が特に共感したのは、上山氏の「復帰に対する考え方」だ。 そもそも、ひきこもりから脱出するチャンスがあったとして、「元のレール」に戻ろうとすると、ものすごく苦しむことになる。というか、無理なのだ(続く 2014/03/22

Yasomi Mori

4
元「ひきこもり」当事者による自己分析の書。一見怠けているように見える彼らだが、事実はまったく逆。本人は過剰なほどに頑張り、でもその〈努力〉が一向に実を結ばず、地獄のような苦痛を味わっている。何かがおかしいことには彼ら自身も気付いている。ところがそこから抜け出す方法、折り合いのつけ方が分からず、ひたすら疲弊する…。彼らには「自分の声が誰にも届かない」という《コミュニケーションへの絶望》がある。周囲とは別の「世界」に孤立してしまっている。必要なのは「現実」へといかに回路をつなぐか、その具体的な処方箋だ、と。2014/03/13

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