内容説明
結婚に、仕事に、そして満たされない夢に揺れる9人の女たちの物語。
著者等紹介
玉岡かおる[タマオカカオル]
1956年兵庫県生まれ。神戸女学院大学文学部卒。87年、処女小説『夢食い魚のブルー・グッドバイ』で神戸文学賞を受賞し作家デビュー
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
82
迷いのない人生を送る人なんていないと思う。あのときあーしていれば…あの人がこーしてくれたら…なんて人のせいにばかりするのも、どこかに悔やまれるところがあるから自分を逃がす抜け道のように人のせいにするのだろう。夫婦は「ほどほど」がいいような気がする。愛しすぎても愛され過ぎてもバランスがとれない。見て見ぬふりも大事なこと。愛してるなら引いてみるのも大事なことなのかも。言葉も空気感も優しいのにビシッと痛いところを突いてくれる玉岡さんの作品、好きだな。2014/02/19
ゆみねこ
35
玉岡さんの短編集は初めてかも?様々な、結婚や恋愛に悩む女性たちを描いている。どこか心に引っかかる、何となく重たいけれど同性として分かる部分が多い。でも、やはり玉岡さんは長編の方が好きですね。2014/02/26
星落秋風五丈原
15
このままでいいのか。別の道はあるのか。どちらも選びかねて時は過ぎる。傷つく女たちを繊細な筆到で描く作品集。「水晶婚」姑の残した真珠を巡って義妹洋子と気まずくなる裕美のささやかな復讐とは「シャドー・プリンセス」かつての恋人に出会って一夜を共にするが、同行した母のさしがねだった「ルーブルの女神」「パラダイスを探して」パラグライダーのインストラクターにかつて告白されながらもうんと言えなかった主人公がもう一度彼と一緒にやり直そうとするが「上昇気流をつかまえろ」「ヘップバーンにはもうなれない」「物語をもう一度」2001/06/24
りょう
5
もどかしさの後にやってくる前進と希望。女はきっと強かな生きものなのだろう。勿論、自分も含めて。動き出す切っ掛けとなる何かや誰かを求める。でも、結局それは言い訳の材料にもなる。何より自分で決断して前進したことにはならない。それに気付くことのできる女性は強い。凛として生きることは難しいけど、それができた時に女性としてまた一つ成長していくのだろう。「命短し、恋せよ乙女。くちびるの色の褪せぬまに。」大好きな言葉が出てきた。2014/01/17
チェス
4
あんまり後味良いものばかりではなく。でも何となく分かるなぁ、と。 図書館本。2019/06/05