内容説明
文壇随一の浮気男・三上於莵吉と、大御所の女流作家・長谷川時雨。放蕩三昧の人気文士と、軍の幹部も一目置いた女名士の夫婦から、昭和の文士たちは目を離せなかった。時代小説大賞受賞作家が三作目にしてきわめた真骨頂。
著者等紹介
平山寿三郎[ヒラヤマジュサブロウ]
昭和8年、東京生まれ。千葉県立佐倉高校卒業後、出版販売会社を経て、昭和36年、外食産業会社に就職。平成5年定年退職。平成10年に『東京城残骸』で第9回時代小説大賞を受賞。平成12年刊行の『明治おんな橋』は、書評などで多くの賛辞を集め、舞台上演されるなど話題を呼んだ。『女人しぐれ』は3作目にして題材を大正・昭和の文壇に求めた意欲作である
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
5
時雨は歌舞伎界始まって以来の売れっ子の脚本家として人気の絶頂にいた美女。そんな彼女を年下の於兎吉がどう やってくどいたかというと、これが今でいえばメール恋愛になる手紙攻勢。関東大震災の時に、「これで家が焼かれれば借金は棒引きだ!」と罰当たりな事を言っていた直木三十五。銀座でライオンと人気を二分していたカフェ・タイガーに女性を連れて豪遊していた菊地寛。「君、有名にならんといかんぜ」と言って「田園の憂鬱」で文壇に躍り出た佐藤春男、銀座あたりをふらふらしていた永井荷風と文豪達がカッコいい。2004/04/02
takao
1
長谷川時雨の評伝2024/10/03