内容説明
命を懸けて戦うライダーは、「彼らが直面する現実」である事故や死を、どう捉えているのか。世界チャンピオンの常人とは異なる「独自の感覚」を描く。チームメイトの死をどう感じ、レースに臨んだのか、彼らは事故、死への恐怖をどう捉え、克服したのか、緊張の糸が切れたとき、彼らは何を思ったのか、生い立ちから性格まで素顔のチャンピオン像を明らかに。
目次
ウエイン・レイニー―僕はその事故のすべてを覚えている
ミック・ドゥーハン―ヘルメットをかぶると別の人間に変わる
阿部典史―意識のほうがマシンより先行する
原田哲也―チャンピオンは「おまけ」だった
坂田和人―チャンピオンにいちばん必要なものは「運」
青木治親―最後の瞬間トップにいればいい
岡田忠之―目標は背中にも目がついている走り
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ツカモトカネユキ
5
1999年発行。GPレーサーの本音に迫ったルポ。オートバイレースという命に係わるやり取りをしながら戦う王者たち7名を追っています。それぞれの生い立ちから発行年までの活躍が記されます。すでに発行より四半世紀経っており、登場するレーサー、関連するレーサーで亡くなった方もおり隔世の感があります。その後のロッシ、マルケスの出現で新たな伝説が紡がれ、それが続いてる様を見ると懐かしみを感じます。テレビ放送のほとんどない時代から雑誌を追っていた自分としては、新たな発見もあり楽しく読むことができました。2025/01/14
カワセミ440
2
1990年代WGPの世界での日本人のポジションは今よりずっと高かった。原田哲也、坂田和人、青木治親などチャンピオンも輩出。考えてみれば良い時代だった。NHKBSでは生で全戦中継。個人的には1999年のイタリアGPでの原田哲也の逆転PPが印象に残ってます。ノリック阿部典史の1996年日本GPも凄かった。2007年、事故それも一般道でのそれで亡くなってしまったのは本当に残念です。加藤大治郎も鈴鹿の事故で・・。今、WGPの世界で日本人、寂しい限りです。古い本だけど富樫さんの丁寧な取材、WGPへの愛が伝わります。2012/12/23
washa46
1
ウェインレイニー、ミックドゥーハン、阿部典史、原田哲也、坂田和人、青木治親、岡田忠之… 1990年代、グランプリライダーの心境を伝えてくれる本です… レースに関わる人達に対する敬意と愛情に満ちた作品でした… 2022/04/26
キヨシ
1
1999年時点のルポが本書。2016年に自分が読んでいるので、その間、登場するライダーがどのように過ごしているのかを調べてみました。青木治親選手がオートレースで活躍しているというのも、知りませんでした。亡くなられた選手もいて、さまざまなのですが、さまざまな方面で活躍しているようです。著者が女性ということもあって、選手の生き方や考え方に迫るようにアプローチしていて、たいへん読みやすい本だったと思います。2016/12/29
1977年から
0
2002年