内容説明
大好きな祖母の死という現実に納得できない思いを抱く少女ケイティと、その傷の深さに気づかない大人たち。やがてケイティのもとに天国のおばあちゃんから手紙が届き、文通が始まるが―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
74
大好きなおばあちゃんが亡くなったことを受け入れられないケイティ。形見分けでもらったペンで手紙を書きます。おばあちゃんからは彼女にだけ読める〈天国からの手紙〉が届くから。でも、だんだん〈手紙〉は来なくなり、ケイティは悲しみ、怒りを覚えます。一緒に過ごした時間を無駄だと思うようにさえなります。春夏秋冬、季節はめぐりケイティの心は少しずつ変わっていきます……。手紙形式で綴られるグリーフケアをテーマにした物語。孫に出逢えた自分を〈選ばれた〉と呼ぶおばあちゃんの手紙は美しい。翻訳は江國香織さん。挿し絵は荒井良二氏。2015/05/16
瑪瑙(サードニックス)
39
大好きなおばあちゃんの死が受け入れられないケイティ。弁護士から受けとったおばあちゃんからの手紙にすぐに返事を書きます。そして天国からおばあちゃんの手紙が届きます。ケイティは手紙を書き続けます。幼い少女の傷ついた心に大人たちは気づきません。両親も祖母の弟も皆、おばあちゃんを失って寂しかったから。やがてバラバラだった家族の結びつきが強くなっていきます。ケイティも成長していきます。少女の心の成長と家族の物語。2019/07/25
みずたま
17
大好きな祖母の死を受け入れられないケイティ。祖母への手紙を通して少しずつ変化し成長していく。悲しいのは自分だけではないことに気付くと、見えなかった周りが見えてくる。残された家族が、祖母の思い出を大切にしながら再生していくラストは心が暖まる。訳・江國香織×絵・荒井良二。荒井さんの春夏秋冬のイラストがすごく素敵♪2015/01/24
退院した雨巫女。
10
血のつながりはなくても、魂がつながればそれで、家族だと思います。2010/10/19
mackey
8
大好きな祖母が亡くなった現実をなかなか受け入れられず、天国の祖母に手紙を書き続ける少女の物語。挿絵や江國香織さんの訳がとても素敵で、何度も読み返したくなる1冊。2015/02/24