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目次
第1章 日本人はなぜユダヤ人が「好き」なのか
第2章 桃太郎伝説と反ユダヤ主義
第3章 神に選ばれた日本人とユダヤ人
第4章 ヒトラー賛美への道
第5章 「敵はユダヤだぞ!」
第6章 「犠牲者」という免罪符
第7章 日本版「愚者の社会主義」
第8章 失態をくりかえす経済大国
第9章 日本の病巣を映しだす「ユダヤ人問題」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねね
15
戦前・戦後の日本におけるユダヤ人感を纏めた本。かなり真面目で公平な視点で描かれてると思う。自分も含め、日本人ってユダヤの歴史を知らない人が本当に多いんだなあと解った。でも湾岸戦争前後に至っても政治家がその周辺の歴史認識が無いのはいかんと思う…。外交が弱いというより、不勉強というか、思い込みで当たってる気が。戦時中の「神国は既にして東方の我国に成っているのだからユダヤ人は日本の聖戦に加わるべき」論は凄すぎて吹いた。これが上層部含め、一部で平気で罷り通ってたんだから狂気ぶりが恐い。2016/01/30
Koning
3
ユダヤ人との接点が露店のアクセサリー商ぐらいなのにやたらと出ているユダヤ人の陰謀を喧伝する本。その原因を日本の文化と社会の中に見出すとても真面目で真っ当な研究書。悪名高い宇野正美や広瀬隆から西岡昌紀といった反ユダヤ主義者やそうした物の影響を受けたオウムの世紀末思想も出て来るけれど、幕末の攘夷論から戦前のナチスドイツとの同盟、戦後の左翼勢力のパレスチナへの過剰な感情移入など原因になりそうな日本人の行動が読み取れる。広島長崎と同一視するのはやっぱりダメだよね。というか日本社会が相変わらず愚かなままなのに泣ける2011/12/22
がんぞ
1
ユダヤ人とは端的に言って「ユダヤ教を信じる人」だが、辛気臭いタブーや教典(「良いユダヤ人」と認める以外には何もしてくれない神の絶対の命令)がある理不尽を自認する宗教(教義解釈で反対の主張を論証することも学ぶ。他人をあげつらわないが、厳格に食物タブーを守るのはイスラム教以上に難しい)など幼児の頃から、両親ばかりでなくコミュニティ(同年輩の遊び仲間など)を挙げて刷り込まなければ信じられるはずもない。それを“秘密結社”とみて二十世紀初めにボグロム=大虐殺の反作用で起こったシオニスト運動が誤解されまたも迫害となり2011/03/31