内容説明
1883年‐1995年、マルクスの死に始まり、ドゥルーズの自死に至る、無数の人間・事件の軌跡。その行間に時代精神の連関を読む、著者渾身の力作。シリーズ「現代思想の冒険者たち」姉妹篇。
目次
1 1883‐1900―ワグナー、マルクスの死と世紀末パリ
2 1901‐10―キャバレーとロシア・バレエの華
3 1911‐20―第一次大戦期の文化人たち
4 1921‐30―アール・デコ時代の到来
5 1931‐40―現象学人気、そしてトロツキー暗殺
6 1941‐50―第二次大戦を生きのびた知
7 1951‐60―アメリカ社会学の隆盛
8 1961‐70―台頭する構造主義者たち
9 1971‐80―自己組織化からオートポイエーシスへ
10 1981‐95―冷戦終焉。ドゥルーズ、レヴィナス死す
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
3
第一次大戦を歓迎する知識人としてハウプトマン、ハルナック、ズーダーマン、フンパーディング、レントゲンなどが挙げられる。ハインリヒ・マンは戦争反対したが、弟のトーマス・マンは兄に反対し『非政治的人間の考察』を描き始める。第一次大戦前に、ドイツ艦がフランス領モロッコに砲鑑パンターを派遣し緊張の高まった、第二次モロッコ事件がすでに戦争の予感を感じさせていたという。それにアイディアを得たのが、シュペングラーの『西洋の没落』でありいわゆる「世界史の形態学」がトインビーの歴史研究にも続いていくと。2024/09/01
takao
1
ふむ2024/10/29
抹茶ケーキ
0
二十世紀に起こった思想にまつわる出来事を年表形式で記述。哲学だけに限らず、芸術、美学、社会科学、科学など広く話題を拾ってきているので、知らないことも多かった。あまり関連のない思想家同士のつながりが見えて面白かった。2015/10/23
sirokumaco
0
二十世紀の思想史を時系列で追う。出来事を関連させて解釈するには読み手の器量が問われる。また、登場する事実や人物を把握できないと、年表上で遊戯に耽ることができない。しかし、時間軸で事象を追うことは楽しく、よい刺激になった。2009/01/31