出版社内容情報
【内容紹介】
脳死、臓器移植に迫る衝撃の書下ろし長編医学サスペンス。
松浪和夫さんは、乃南アサ、宮部みゆき、高村薫、帚木蓬生、天童荒太氏らの逸材を輩出した、日本推理サスペンス大賞の同窓生である。しかも、デビューしたのが20代半ばと、抜群に若い。当時のわたしの選評、「才能のきらめきは1番」「今後かならず出て来る人」は、間違っていなかった。昨今話題の、脳死をテーマにしたこの作品も、綿密な取材と巧みなストーリー展開に裏打ちされた快作で、今年後半の大きな収穫といえよう。──逢坂剛
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aoi\(*ˊᗜˋ*)/
4
臓器移植法が施行されたのが、この本が出た約三ヶ月後。1997年の10月16日。その前に政治家、医者、ドナー、記者、レシピエント、家族などの様々な事が描かれている。脳死は人の死なのか?ということに今でも賛否両論だろう。読んでて苦しかったなぁ。もし自分や自分の家族がドナーになる立場、レシピエントだったらと考えたら。そして、まだ脳死が認められていないから脳死移植が殺人になってしまう。辛い。実際にこういうことがあって今の医療になってるんだろうなぁ。勉強になりました!2016/07/30
鈴と空
2
脳死は人の死か、脳死者からの臓器摘出は殺人か、というテーマは興味深いし面白い。けど、話そのものはどうってことないような……。特に告発の証拠となるビデオテープの在処なんて。何で思いつきもないんだ?って読んでて少々イラついてしまう。2010/09/06
Mitsuo Seki
0
臓器移植、脳死、医者と製薬会社と政治家の癒着、移植を待つ子供を抱える司法官の揺らぎ、医者としての正義と倫理・・・今じゃ脳死による臓器移植は頻繁に行われているけど、脳死移植がまだ行われていなかったときには裏でいろいろなことが起こっていたんだろうなと想像できる。そんなことを思わせてくれる話。2012/02/11
花鳥風月の森
0
脳死。臓器移植。自分の命ならともかく 子供の命の為なら どんな事でもしてしまうだろう。それを利用して… とりあえず最後はほっとしました。2012/01/14